(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
5.経口血糖降下薬による治療
ステートメント
1.経口血糖降下薬の適応

2.経口血糖降下薬が適応とならない場合


1型糖尿病,糖尿病合併妊娠,糖尿病昏睡,重篤な感染症,全身管理が必要な外科手術時などはインスリンの絶対的適応であり,経口血糖降下薬の治療は行ってはならない.
3.血糖コントロールの目標

血糖コントロールは可能な限り正常血糖値に近づけるべきである. 
細小血管症を抑制するためには空腹時血糖値およびHbA1c値の是正が重要であり,大血管症を抑制するためにはさらに食後高血糖の是正も必要である2),3). レベル1
ただし,インスリン分泌促進作用を持つ経口血糖降下薬による血糖コントロールの是正はときに重篤な低血糖を起こしうるので,最大限の注意が必要である.

細小血管症を抑制するためには空腹時血糖値およびHbA1c値の是正が重要であり,大血管症を抑制するためにはさらに食後高血糖の是正も必要である2),3). レベル1
ただし,インスリン分泌促進作用を持つ経口血糖降下薬による血糖コントロールの是正はときに重篤な低血糖を起こしうるので,最大限の注意が必要である.

4.経口血糖降下薬の選択

薬物の選択は,個々の薬物の作用の特性や副作用を考慮に入れながら個々の患者の病態に応じて行う.投与量は少量から開始し,血糖コントロール状況を観察しながら必要に応じて増量する. 
現在使用されている経口血糖降下薬はいずれも血糖改善効果が認められる.細小血管症抑制の観点からはスルホニル尿素薬とメトホルミン(ビグアナイド薬)にevidenceがあるが4),よい血糖コントロールが達成できるならばどの薬物も第一選択薬になりうる.大血管症抑制の観点からは,αグルコシダーゼ阻害薬5),チアゾリジン薬6),および肥満糖尿病患者におけるメトホルミン(ビグアナイド薬)7)に一定のevidenceがある. レベル1

現在使用されている経口血糖降下薬はいずれも血糖改善効果が認められる.細小血管症抑制の観点からはスルホニル尿素薬とメトホルミン(ビグアナイド薬)にevidenceがあるが4),よい血糖コントロールが達成できるならばどの薬物も第一選択薬になりうる.大血管症抑制の観点からは,αグルコシダーゼ阻害薬5),チアゾリジン薬6),および肥満糖尿病患者におけるメトホルミン(ビグアナイド薬)7)に一定のevidenceがある. レベル1
5.血糖コントロールが不十分な場合の対応

1種類の経口血糖降下薬治療によっては良好な血糖コントロールが長期間維持できないことがある.この場合,食事・運動療法の徹底をはかり,さらに必要であれば,作用機序の異なる経口血糖降下薬を追加するか,インスリンへの切り替え,あるいは併用によって血糖改善効果を期待する.