(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版

 
3.食事療法


解説

1.摂取エネルギー
食事療法を行うことにより,糖尿病状態は改善し1),2),5),糖尿病心血管系合併症など6)糖尿病合併症を発症するリスクが低下することが示されており,すべての糖尿病患者にとって食事療法は糖尿病治療の第一歩である.個々の症例の長期にわたる食習慣を加味した個別の食事指導を実践することが必要とされる3).したがって,血糖,血圧,脂質のコントロール状況,体重の推移,年齢,性別,合併症の有無やエネルギー消費(身体活動)などを十分に評価して,摂取エネルギー量を調節する必要がある.肥満者や高齢者においては,摂取エネルギー量を低く設定することが多い.個々の症例ごとに適切な体重は異なり,過去の体重歴や現在のBMI(body mass index)を考慮した目標体重を設定し,良好な血糖コントロールを保てる体重を維持できることが重要である.過度の摂取エネルギー制限は短期的には可能だが,途中で脱落する症例を多く認める7).適切な体重を維持できるエネルギー摂取を行っても血糖などのコントロールが不十分な場合には,他の治療法でコントロールの達成をはかる.


 
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