(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
3.食事療法
ステートメント
1.食事療法について

2.個別対応の食事療法


個々人の生活習慣を尊重した個別対応の食事療法がスムーズな治療開始と持続のために必要であり,そのためには食生活の内容をはじめ,食事の嗜好や時間などの食習慣や身体活動量などをまず十分に聴取する.
3.摂取エネルギー量の決定


血糖値,血圧,血清脂質のコントロール,体重の推移,年齢,性別,合併症の有無,エネルギー消費(身体活動)や従来の食事摂取量などを考慮して,医師が摂取エネルギー量を決定する.
摂取エネルギー量算定の目安
摂取エネルギー量=標準体重×身体活動量
標準体重(kg)=[身長(m)]2×22
身体活動量(kcal/kg標準体重)
=25〜30軽労作(デスクワークが主な人,主婦など)
30〜35普通の労作(立ち仕事が多い職業)
35〜重い労作(力仕事の多い職業)
肥満者や高齢者では少ないほうにとるなど,症例ごとの病態も考慮する.
摂取エネルギー量算定の目安
摂取エネルギー量=標準体重×身体活動量
標準体重(kg)=[身長(m)]2×22
身体活動量(kcal/kg標準体重)
=25〜30軽労作(デスクワークが主な人,主婦など)
30〜35普通の労作(立ち仕事が多い職業)
35〜重い労作(力仕事の多い職業)
肥満者や高齢者では少ないほうにとるなど,症例ごとの病態も考慮する.
4.摂取成分量
指示エネルギー量の50〜60%以下を炭水化物とし,蛋白質は標準体重1kgあたり1.0〜1.2g,残りを脂質で摂取する. 

脂肪の総摂取量は総エネルギー量の25%以内とし,飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸は,それぞれ摂取エネルギー量の10%以内におさめる.



脂肪の総摂取量は総エネルギー量の25%以内とし,飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸は,それぞれ摂取エネルギー量の10%以内におさめる.


5.管理栄養士による食事指導
実際の食事指導には,管理栄養士があたることが血糖コントロールに有用である3)
レベル2
日本では管理栄養士が食品交換表を用いて栄養指導することが多いが,理解の不十分な場合は,実際の食品やフードモデルなどを用いて指導する.


日本では管理栄養士が食品交換表を用いて栄養指導することが多いが,理解の不十分な場合は,実際の食品やフードモデルなどを用いて指導する.


6.食事の摂取量


食塩の過剰摂取は血圧上昇に作用したり食欲を亢進させるので,多くても10g/日以内,高血圧を合併したものでは6g/日未満,尿蛋白が1g/日以上の腎症を合併したものでは7〜8g/日未満に制限する.
7.食物繊維

食物繊維は血糖コントロールの改善に有効であり,血中脂質レベルも低下させる4).
8.食品の種類数


食事制限によるビタミン,ミネラルの摂取不足を防ぐためにできるだけ多くの食品数を摂取させる.