(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版

 
糖尿病ガイドライン策定作業の方法論


2.ガイドラインの様式 (図1)

本ガイドラインでは,解説や総説といった文章形式ではなく,各領域で重要と思われるステートメントをはじめに挙げている.すなわち診療の指針となるべきステートメントをまず挙げ,その根拠となった臨床研究データを示している.なお,本ガイドラインでは推奨する事項をステートメントと呼んでいるが,Recommendation(推奨あるいは勧告)という表現も可能である.これらのステートメントにはグレード(推奨の強さ)を付した.グレードについては後述する.ステートメントに次いで,その解説を付し,ステートメントの背景やその根拠について理解が深まるようにしている.最後に,根拠として用いた臨床研究についての文献を示し,それらのアブストラクトテーブルを付した.ここには「書誌情報」,「研究デザイン情報」,研究の「対象」,「方法」,「結果」が明記されている.また,どのような臨床研究が各ステートメントの根拠として用いられているかが簡便にわかるようにも配慮した.

図1 本ガイドラインの構成
図1:本ガイドラインの構成
各章にステートメントが複数示されており,それぞれについてグレード(推奨の強さ)が表記されている.また,ステートメントごとに根拠となる研究のリストが引用される.それらの研究には,エビデンスレベル(主としてデザインに基づく研究の水準)が付される.


表1 ガイドラインで用いたevidence水準表―各研究へ付された水準
水準(レベル) それに該当する臨床研究デザインの種類
1 水準1の規模を含むランダム化比較試験のシステマティックレビューまたはメタアナリシス
1 十分な症例数(全体で400 例以上)のランダム化比較試験
2 水準2の規模を含むランダム化比較試験のシステマティックレビューまたはメタアナリシス
2 小規模(全体で400例未満)のランダム化比較試験
2 さらに小規模(全体で50例未満)のランダム化比較試験,クロスオーバー試験(ランダム化を伴う),オープンラベル試験(ランダム化を伴う)
3 非ランダム化比較試験,コントロールを伴うコホート研究
4 前後比較試験,コントロールを伴わないコホート研究,症例対照研究
5 コントロールを伴わない症例集積(10~50例程度)
610例未満の症例報告
なお,括弧内の例数は目安である.


表2 推奨の強さとしてのグレード
グレード 説明
グレードA 行うよう強く勧める
グレードB 行うよう勧める
グレードC 行うように勧めるだけの根拠が明確でない
グレードD 行わないよう勧める


 
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