(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
糖尿病ガイドライン策定作業の方法論
1.ガイドラインの特徴
診療ガイドラインを策定するには,主としてコンセンサスに基づく方法と根拠に基づく(evidence-based)方法とがあるa).当ガイドラインはどちらかというと後者に相当するが,evidenceを伴わなくてもコンセンサスによって推奨している項目も少なくない.
ガイドラインの必要性については,第1にその普及による医療の向上が挙げられる.たとえば,糖尿病を早期に正しく診断して適切な治療を開始できれば,合併症の発生率を抑えることができるであろう.正しい診断と適切な治療をガイドラインによって徹底できれば,理論的には治療効果は向上するはずである.第2には,ガイドラインにより医療のいっそうの透明化を期待できる.医療を供給する側と受け取る側とが情報を共有することにより,より対等な立場での診療が可能になるであろう.
以前から米国政府は,国家事業として診療ガイドラインを掲載したサイトを一般に公開してきた(http://www.guidelines.gov/).このサイトには2007年現在2,026件(本ガイドライン初版時では1,136件であったので3年間で約900件増えている)のガイドラインが挙がっており,その中で糖尿病に関係するものが469件(単純にDiabetesで検索した結果として)も含まれている.わが国においても,日本医療機能評価機構がMindsという事業(http://minds.jcqhc.or.jp/)の中で,糖尿病を含め現在35件のガイドラインを提示している.米国に比べると,件数に関しては50分の1以下と見劣りする.同様にして,MEDLINE医学文献データベースでも,Limit to Practice Guidelineという絞り込みによりガイドラインの件数を調べると,糖尿病診療ガイドライン関連の文献は489件みられた.上記のサイト検索とほぼ同数の結果になっていた.
さて,わが国には一般臨床医向けの糖尿病治療ガイドb)というものがあるが,当ガイドラインは根拠となる研究論文を示しながら解説している点が異なるといえよう.2004年に当ガイドラインの初版が世に出たが,それ以降いくつものevidenceが出たので改訂することになった.
ガイドラインの必要性については,第1にその普及による医療の向上が挙げられる.たとえば,糖尿病を早期に正しく診断して適切な治療を開始できれば,合併症の発生率を抑えることができるであろう.正しい診断と適切な治療をガイドラインによって徹底できれば,理論的には治療効果は向上するはずである.第2には,ガイドラインにより医療のいっそうの透明化を期待できる.医療を供給する側と受け取る側とが情報を共有することにより,より対等な立場での診療が可能になるであろう.
以前から米国政府は,国家事業として診療ガイドラインを掲載したサイトを一般に公開してきた(http://www.guidelines.gov/).このサイトには2007年現在2,026件(本ガイドライン初版時では1,136件であったので3年間で約900件増えている)のガイドラインが挙がっており,その中で糖尿病に関係するものが469件(単純にDiabetesで検索した結果として)も含まれている.わが国においても,日本医療機能評価機構がMindsという事業(http://minds.jcqhc.or.jp/)の中で,糖尿病を含め現在35件のガイドラインを提示している.米国に比べると,件数に関しては50分の1以下と見劣りする.同様にして,MEDLINE医学文献データベースでも,Limit to Practice Guidelineという絞り込みによりガイドラインの件数を調べると,糖尿病診療ガイドライン関連の文献は489件みられた.上記のサイト検索とほぼ同数の結果になっていた.
さて,わが国には一般臨床医向けの糖尿病治療ガイドb)というものがあるが,当ガイドラインは根拠となる研究論文を示しながら解説している点が異なるといえよう.2004年に当ガイドラインの初版が世に出たが,それ以降いくつものevidenceが出たので改訂することになった.