(旧版)「喘息ガイドライン作成に関する研究」平成11年度研究報告書/ガイドライン引用文献(2000年まで)簡易版抄録を掲載

 
表 キサンチン誘導体(小児)に関する文献内容
文献対象
  1. 例数
  2. 年齢
  3. 対象
試験デザイン
  1. 方法
  2. 観察期間(導入+試験)
  3. その他(効果判定など)
結果・考案・副作用評価
岩崎2)
1999
  1. 223例
  2. 3ヶ月〜6歳
  3. 喘息患者
  1. アミノフィリン持続点滴時のテオフィリンクリアランス及びテオフィリン徐放剤投与時の血中濃度/投与量比から至適投与量を計算
  2. 不明
  3. テオフィリン血中濃度,クリアランス,血中濃度/投与量比
  1. アミノフィリン持続点滴療法の維持投与量を下記のように設定
    3〜6ヶ月:0.4mg/kg/hr
    6ヶ月〜1歳:0.6mg/kg/hr
    1〜2歳:0.8mg/kg/hr
    2〜6歳:0.9mg/kg/hr
  2. テオフィリン徐放剤の投与量を下記のように設定
    〜15kg:10mg/kg/day
    15〜30kg:15mg/kg/day
    31〜40kg:12mg/kg/day
    41〜50kg:10mg/kg/day
II-2
B
Milavetzら3)
1986
  1. 1073例
  2. 1〜73歳
  3. 5年間にテオフィリン血中濃度を測定した患者
  1. 投与量調整計画の有用性を評価するため,投与必要量と血中濃度の安定性について検討
  2. 不明
  3. テオフィリン血中濃度
  1. 投与量調整計画を実施した症例のうち,1回目の血中濃度測定の段階で78%が10〜20μg/mLの濃度域
  2. 血中濃度<10μg/mLでは副作用無し,10〜20μg/mLでは8/296例,>20μg/mLでは21/67例に副作用発現
  3. 投与必要量の平均値は
    1〜 9歳:22mg/kg/day
    9〜12歳:20mg/kg/day
    12〜16歳:18mg/kg/day
    16歳以上:13mg/kg/day
II-2
B
西間ら4)
1981
  1. 181例
  2. 6〜15歳
  3. 喘息患者
  1. テオフィリン速放錠(T群)3回(200〜600mg)/日とテオフィリン徐放性製剤(M群)2回(200〜600mg)/日とトリメトキノール3回(1〜3mg)/日(I群)との比較試験(二重盲検・プラセボ対照)
  2. 1〜2+3週
  3. 発作改善度,肺機能改善度,全般改善度,副作用,有用度,肺機能
  1. 対象基準に適合した72例で,発作改善度,肺機能改善度,ピークフローR,FEV1.0,全般改善度,有用度でM群はI群より有意に改善
  2. 副作用は全例ではM群はI群より件数が有意に多いが重篤な物はなかった。
I
A
Hambletonら5)
1977
  1. 28例
  2. 6〜15歳
  3. 薬物でコントロールされている症例(1ヶ月はステロイドの投与なし)
  1. クロモグリク酸4回/日,テオフィリン4回/日,両薬併用の3群(二重盲検・プラセボ対照・交差)
  2. 1+12(=4週×3)週
  3. 症状,%PEFR,肺機能,副作用
  1. 平均血中濃度は16μg/mL(ピーク時),全例10〜20μg/mL内
  2. 肺機能は3群間で有意差なし。無症状日数の割合:クロモグリク酸<テオフィリン群,併用群
  3. 副作用は各群有意差なし。テオフィリンの副作用は消化器症状,中枢神経症状
I
A
Tinkelmanら6)
1993
  1. 195例
  2. 6〜16歳
  3. 軽症〜中等症喘息
  1. テオフィリン徐放剤2回/日(血中濃度8〜15μg/ mLに調整)と吸入ステロイド84μ×4回/日の比較(二重盲検・プラセボ対照・多施設)
  2. 4+52週
  3. 臨床症状,ピークフロー,追加治療,医師・病院訪問回数,仕事・学校の欠席,副作用
  1. テオフィリンと吸入ステロイドは共に軽症〜中等症喘息治療に有用
  2. 吸入ステロイドはテオフィリンより症状コントロールに要する追加気管支拡張薬・経口ステロイドが少ない
  3. 副作用はテオフィリンが多い
  4. 成長抑制が吸入ステロイドで見られる
I
A
Carterら7)
1993
  1. 21例
  2. 5〜18歳
  3. 喘息急性増悪患者
  1. 喘息発作治療にβ2刺激薬吸入+ステロイド静注を使用中の患者でアミノフィリン静注(血中濃度10〜20μg/mLに調整)群(AM群)またはプラセボ(P群)の治療効果比較(二重盲検・プラセボ対照)
  2. 36時間
  3. 症状スコア,FEV1.0,副作用
  1. 症状スコア,FEV1.0,副作用に有意差なし。
I
A
Straussら8)
1994
  1. 31例
  2. 5〜18歳
  3. 喘息急性増悪患者
  1. 喘息発作治療にβ2刺激薬吸入+ステロイド静注を使用中の患者でアミノフィリン静注(血中濃度10〜20μg/mLに調整)群(AM群)またはプラセボ(P群)の治療効果比較(二重盲検・プラセボ対照)
  2. 症状寛解まで
  3. ピークフロー,症状スコア,追加治療の頻度,入院日数,副作用
  1. ピークフロー,症状スコア,追加治療の頻度,入院日数に有意差なし
  2. 副作用発現件数がAM群で有意に増加
I
A
Baker9)
1986
  1. 65例
  2. 3ヶ月〜16歳
  3. 1974〜85年のテオフィリン副作用症例
  1. 副作用集計解析
  2. 11年間
  3. 急性中毒又は慢性中毒の分類,副作用症状,血中濃度
  1. 嘔吐,頻脈,中枢神経系刺激がよく見られた副作用
  2. 痙攣4例(血中濃度<70μg/mL)
  3. 高血中濃度の2例で幻覚
II-2
B
高橋ら10)
1998
  1. 559例(800件)
  2. 不明
  3. テオフィリン製剤を販売している2社の副作用報告
  1. 製薬企業が収集したテオフィリン製剤投与患者の副作用報告を集計解析
  2. 徐放剤:1984年〜1997年6月,注射剤:1980年〜1997年6月
  3. 発現部位別,剤型別等で集計
  1. テオフィリン徐放剤450例576件,注射剤109例224件の副作用が発現。
  2. 中枢神経症状333例41.6%
    消化器症状176例22.0%
    過敏症72例9.0%
    循環器系障害68例8.5%
II-2
B
Powellら11)
1993
  1. 163例
  2. 1ヶ月〜17歳
  3. 1980年〜88年の入院患者でテオフィリン血中濃度24μg/mL以上の症例
  1. テオフィリン血中濃度高値例の副作用集計解析
  2. 1980〜1988年
  3. 副作用の有無,種類,血中濃度との関係
  1. 血中濃度25〜50μg/mLの150例のうち無症状44例(29%)
  2. 血中濃度50μg/mL以上は副作用必発
  3. 頻脈(47%),嘔吐(52%)は濃度依存的に発現
  4. 痙攣9例(元来神経学的に正常5例,血中濃度50μg/mL以上では5例中4例に発症)
  5. 126例の定期使用中患者のうち105例に副作用(原因不明)
II-2
B

 

 
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