(旧版)「喘息ガイドライン作成に関する研究」平成11年度研究報告書/ガイドライン引用文献(2000年まで)簡易版抄録を掲載

 

●長時間作用型吸入β2刺激薬

本邦では未発売であるのでメタ分析のみを示す

文献対象
  1. 例数
  2. 年齢
  3. 対象
試験デザイン
  1. 方法
  2. 観察期間(導入+試験)
  3. その他(効果判定など)
結果・考案・副作用評価
Daviesら11)
1998
  1. 全1,330名
  2. サルメテロール,テオフィリンの軽症〜中等症慢性喘息患者に対する長期管理効果を検討した無作為・比較試験9スタディ
  1. メタ分析
  2. 2〜4週
サルメテロールはテオフィリンに比較して朝・夕のピークフローを有意に上昇させる。日中・夜間の無症状状態はサルメテロール群の方が多く,他の治療薬のレスキューユーズの回数はサルメテロール群で少ない。脱落,副作用もサルメテロールの方が少なかった。I
A
Verberneら12)
1998
  1. 全225名
  2. サルメテロールを用いた無作為・二重盲検試験で,ヒスタミンまたはメサコリンによる気道過敏性試験を行った9スタディ
  1. メタ分析
  2. 期間16週+終了後30日以上
サルメテロール開始直後には,気道過敏性の著明な改善(PC20で平均3.5倍の上昇)が見られる。この改善は数日で低下してくるが,投与期間中は投与前より気道過敏性が良好であり,投与中止後30日間リバウンドによる再増悪は見られなかった。I
A
Lenneyら13)
1995
  1. 全847名
  2. 4〜16歳
  3. 軽症〜中等症小児喘息患者を対象としたサルメテロールの無作為・二重盲検試験3スタディ
  1. メタ分析
  2. 最大12ヶ月
サルメテロール100mg/日はサルブタモール400mg/日に較べ,朝夕のピークフローを有意に(p< 0.001)上昇させ,サルメテロール 50mg/日に較べても,朝のピークフローを有意に(p= 0.017)上昇させた。無症状の日数,他の治療薬のレスキューユーズの回数はサルメテロール100mg/日が有意に少なかった。I
A
Mooreら14)
1998
  1. サルメテロールまたはホルモテロールに関する臨床試験全般
  1. システミック・レビュー
低用量の吸入ステロイドでコントロールしきれない喘息患者に対して,サルメテロール或いはホルモテロールのLegularuse(1日2回)は自他覚症状の改善をもたらす。これらの薬剤は運動誘発喘息や夜間症状の軽減にも有用である。I
A
Shrewsburyら15)
2000
  1. 全3,685名
  2. 12歳以上
  3. 吸入ステロイドを使用しており,かつ症状を有する喘息患者を対象としたサルメテロールの臨床試験9スタディ
  1. メタ分析
  2. 12週以上
低用量の吸入ステロイドでコントロールしきれない喘息患者に対して,サルメテロールを追加することは,吸入ステロイドの増量よりもピークフロー・一秒量を有意に改善し,喘息症状のない日数を増加させ,急性増悪による追加治療の必要性を減少させた。I
A

参考文献
  1. Davies B, Brooks G, Devoy M. The efficacy and safety of salmeterol compared to theophylline: meta-analysis of nine controlled studies. Respir Med 1998; 92: 256-263. (評価 IA)
  2. Verberne AA, Fuller R. An overview of nine clinical trials of salmeterol in an asthmatic population. Respir Med 1998; 92: 777-782. (評価 IA)
  3. Lenney W, Pedersen S, Boner AL, Ebbutt A, Jenkins MM. Efficacy and safety of salmeterol in childhood asthma. Eur J Pediatr 1995; 154: 983-90. (評価 IA)
  4. Moore RH, Khan A, Dickey BF. Long-acting inhaled beta2-agonists in asthma therapy. Chest 1998; 113: 1095-108. (評価 IA)
  5. Shrewsbury S, Pyke S, Britton M. Meta-analysis of increased dose of inhaled steroid or addition of salmeterol in symptomatic asthma (MIASMA). BMJ 2000; 320 (7246): 1368-1373. (評価 IA)
 
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