(旧版)「喘息ガイドライン作成に関する研究」平成11年度研究報告書/ガイドライン引用文献(2000年まで)簡易版抄録を掲載

 

(11) その他の増悪因子

前文

鼻炎,副鼻腔炎,鼻ポリープは喘息に合併していることが多く,それらが増悪因子となりうる。

胃食道逆流は特に小児において喘息の増悪因子となりうる。また睡眠時の胃食道逆流は,夜間喘息の原因の一つとなる。月経や過労も喘息を悪化させることがある。

推奨:鼻炎,副鼻腔炎,鼻ポリープや胃食道逆流などの合併があれば,積極的な治療を推奨する。月経に関係した喘息に対しては利尿剤の予防的投与や経口避妊薬の使用も考慮する。
科学的証拠

前項と同じ方法で検索し,鼻炎は5年間に199編,胃食道逆流は5年間に194編,月経は20年間に29編を検討した。

鼻炎,副鼻腔炎,鼻ポリープの治療により,喘息の改善がみられることが報告されている62)。胃食道逆流が喘息の原因として関与しており63),64),就寝前3時間以内には飲食物を摂取しないことや,ベッドの頭部を15〜20cm高くして寝ることも有効である。女性患者で月経に関係した喘息に対して経口避妊薬の使用が有効であったとする報告がある65)

結語

上気道病変や食道逆流,月経,過労等が喘息の増悪に影響していることを認識し,それぞれへの対策を講ずることが長期管理の側面として大切である。

 
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