(旧版)「喘息ガイドライン作成に関する研究」平成11年度研究報告書/ガイドライン引用文献(2000年まで)簡易版抄録を掲載

 

(7) アルコール

前文

飲酒によって喘息が増悪しうるので,喘息患者は飲酒に充分に注意を要する。飲酒によって喘息症状の増悪をきたすことをアルコール誘発喘息という。。

推奨:飲酒により喘息発作を誘発する患者は禁酒するか,あるいは飲酒に際して予防治療することが推奨される。(B)
科学的証拠

前項と同じ方法で検索し,5年間に127編を検討した。。

エタノールは肝臓でアセトアルデヒドに代謝され,次いでアルデヒドハイドロゲナーゼ(ALDH)によって酢酸と水に代謝される。日本人ではALDH遺伝子が約半数で変異しており53),このため,血中のアセトアルデヒド濃度が上昇し,ヒスタミン遊離を介して喘息症状を悪化させる54)。その他にも肥満細胞から放出されるヒスタミンが重要であるとの報告がある55)

(RCT)
文献対象試験デザイン
  1. 方法
  2. 観察期間(導入+試験)
  3. その他(効果判定など)
結果評価
Myouら54)
1993
18例,adult,
(喘息患者9,コントロール9)
39.2±5.4歳
全て非喫煙者,
喘息患者は軽症
  1. プラセボとテルフェナジンを投与した喘息患者と,正常人がアセトアルデヒドを吸入する二重盲検試験
  2. 3日間
  3. FEV1.0の低下率
  1. プラセボを投与した喘息の患者は,アセトアルデヒドの吸入でFEV1.0が著明に低下
  2. アセトアルデヒドはヒスタミン遊離を介して喘息患者に間接的に気管支攣縮を引き起こす
  3. アセトアルデヒドが引き起こす気管支攣縮の前提条件として非特異的な気管支の過敏性がある
II-B
結語

飲酒により喘息症状の増悪をきたす場合があり,禁酒が有効である。

 

 
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