2 診断・治療 CQ19 ESWL 治療において尿管ステント留置は必要か?

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2 診断・治療 CQ19 ESWL 治療において尿管ステント留置は必要か?
1
推奨/回答

排石効率が低下するため,ESWL 治療における尿管ステント留置は推奨されていない。

推奨の強さ

C2:エビデンスは十分とはいえないので,日常診療で実践することは推奨しない。

2
推奨/回答

サイズの大きな結石に関しては,尿管の閉塞を回避するために尿管ステントの留置が推奨される。

推奨の強さ

C1:エビデンスは十分とはいえないが,日常診療で行ってもよい。

ESWL 治療に対しての尿管ステント留置の有用性に関してシステマチックに検討された報告はなく,いずれも,症例対照研究や症例報告による報告がほとんどであり,その必要性の是非を明確に示すことはできない。
これまでの報告では,排石効率の低下からステント留置を推奨しない論文が散見される。また,ステントを留置することによるメリットがステント留置により必要となる医療費増加に対して見合っていないという報告や,施行者が十分に管理することで,ESWL 後の合併症をステント留置なくしてもカバーできるとの報告もある。
一方,有熱症例など基礎疾患を有する場合や,小児をはじめ全身麻酔などの管理下でのESWL 治療が施行される場合などに限定して有用とする報告もある。しかし,無作為試験でstone street(破砕片の尿管内停滞)や尿路感染の回避や,結石排石率の向上に寄与しないとの報告もある。
結石のサイズからその必要性を検討した報告では,結石径25 mm 以下の大きさならステントの必要性はなく,大きな結石の場合は破砕片による尿管の閉塞が懸念されるためステント留置を推奨している。ただし,ステント留置により結石が付着し抜去困難となることもあり,長期の留置が必要な場合は適宜交換や,早めの抜去へ向けたマネージメントが必要とされる。

(本文,図表の引用等については,尿路結石症診療ガイドライン 2013年版の本文をご参照ください。)

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