CQ2:開口障害を主訴とする,関節円板転位に起因すると考えられる顎関節症患者(Ⅲ型 b タイプ)に対する患者自身が徒手的に行う開口訓練は有効か

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CQ2:開口障害を主訴とする,関節円板転位に起因すると考えられる顎関節症患者(Ⅲ型 b タイプ)に対する患者自身が徒手的に行う開口訓練は有効か
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推奨/回答

開口障害を主訴とする関節円板転位に起因すると考えられる顎関節症患者(III 型 b タイプ)において、関節円板の位置など病態の説明を十分に行ったうえで、患者本人が徒手的に行う開口訓練(鎮痛剤の併用は可)を行うことを提案する。

推奨の強さ

2:弱い推奨

エビデンスの確実性

エビデンスの確信性:中

「開口障害を主訴とする、関節円板転位に起因すると考えられる顎関節症患者(III 型 b タイプ)に対する開口訓練について」の検討が行われた。まず、全体のエビデンスの質について検討が行われた。最大開口域に関しては、効果の大きさが改善方向で一致していると判断された。顎関節部の運動痛に対しては、効果の大きさがほとんどないものの、少なくとも改善方向で効果の方向が一致しているとのことであった。よって、エビデンスの質は、“中”の質のエビデンスとなった。次に、推奨の大きさについて議論が行われた。その結果、医療提供者は強い推奨が多かったが、医療消費者の中に、行わないことを提案するという者がいた。よって、医療消費者が行わないとする意見を十分に検討した。その結果、病態の説明や鎮痛剤の有無についての説明を十分に行えば、行うことを提案するとの意見に賛同が得られた。
さらに、本診療ガイドラインでは変形性顎関節症を対象としていないため、変形性顎関節症である非復位性円板転位に対する開口訓練を推奨に含めてない。これは、推奨できないという事でなく、本診療ガイドラインの委員会の議論では、変形性顎関節症に対する開口訓練の有用性も指摘された。

(本文、図表の引用等については、顎関節症患者のための初期治療診療ガイドライン 2 の本文をご参照ください。)

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