CQ 8-2 治療後の経過観察で推奨される検査法は何か?

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CQ 8-2 治療後の経過観察で推奨される検査法は何か?
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推奨/回答

原発巣の診査は主に触診・視診が,頸部リンパ節後発転移には触診とともに超音波検査と造影CT が,遠隔転移には胸部X 線撮影,CT,PET,PET-CT が推奨される。

推奨の強さ

C1:十分な科学的根拠がないが,行うことを考慮しても良い 有効性が期待できる可能性がある。

口腔癌の原発巣再発のチェックは,口腔領域が直視・触知が可能であることより,もっぱら視診・触診で対処している施設がほとんどである。頸部リンパ節診断において,触診,CT,US,MR,RI のsensitivity,specificity,positive predict value を検討した報告では,US(断層+ドプラ)と造影CT が有用であると述べている。さらに造影CT と単純CT の両者を撮像し比較をすれば,より診断精度が上昇するとの報告もある。頸部転移が疑われるときには超音波ガイド下での穿刺吸引細胞診を推奨する報告がある。検査の間隔では,US もしくはUS と造影CT の組み合わせで術後1~2 年間は月1 回が推奨され,2 週間に1 回であれば大きさの変化が掌握可能であるとされている。一方,術後初回の経過観察時にUS と造影CT を同時に撮像し,以後,再来のたびにUS を行い,悪性度の高い症例では,術後1 年以内は3 か月に1 回の割合で造影CT 検査をすることが推奨されている。
遠隔転移については肺転移の頻度が高いことから主に胸部X 線撮影が行われる。肺転移のチェックには胸部X 線撮影の有効性が低いとの報告もあるが,臨床の現場では進展度に応じて3~6 か月に1 回の撮影が行われている。一方,胸部CT では,術後1 年目は6 か月に1 回,2 年目は年に1 回の割合で撮像することを推奨する。また,術後1 年までは3 か月に1 回の躯幹部CT が有効であるとする報告がある。
異時性の重複癌では,年に2 回の上部消化管内視鏡検査で食道癌を発見できたが,予後には影響しなかったと述べている。経済効果を考えると果たして定期的な上部消化管内視鏡検査に妥当性があるか否かは議論の余地があると述べている。
経過観察において一次治療終了後のPET は,重複癌,局所再発,頸部後発転移,遠隔転移の診断など治療後の経過観察に際して有用であるとする報告があるが,そのsensitivity は80%を下回っている。また,再発・転移腫瘍の診断に際してPET は高いsensitivity を示すものの,炎症にも集積を認めることからspecificity が低くなる点も問題であると指摘されている。撮像間隔としては,一次治療終了後は3~6 か月に1 回,また放射線療法あるいは化学療法後は2 か月に1 回の割合で施行することが推奨されている。
腫瘍マーカーは,特にSCC 抗原が経過観察に有用であり,腫瘍の再発の1~2 か月前より上昇するとする報告や,IAP やsialic acid あるいはHER-2/neu と組み合わせるとさらに有効であるとの報告がある。しかし,すべての再発症例で増加するわけではなく,腫瘍マーカーに対して否定的な意見もあり,口腔癌の発生部位での基準値に差がある。したがって,経過観察に腫瘍マーカーの使用の必要性を裏付ける強力な証拠はない。しかし,腫瘍マーカーと臨床経過が相関する症例が約1/3 であることより,治療前にSCC 抗原が高値で術後に減少した症例に限定して,SCC 抗原の変化を観察するのは有効かもしれない。

(本文,図表の引用等については,科学的根拠に基づく口腔癌診療ガイドライン 2013年版の本文をご参照ください。)

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