出血低危険度の消化器内視鏡は,アスピリン,アスピリン以外の抗血小板薬,抗凝固薬のいずれも休薬なく施行してもよい.ワルファリンの場合は,PT-INR が通常の治療域であることを確認する.
C1:科学的根拠はないが,行うよう勧められる
Ⅵ:患者データに基づかない,専門委員会や専門家個人の意見
各種薬剤のフローチャートにつきましては、ステートメント1の解説をご参照ください。 科学的根拠は低いレベルの根拠のみであるが,その有益性は害に勝り,臨床的には有用と考えられる.参考としてあげられている文献は直接にステートメントをサポートするものではない.直接ステートメントのエビデンスとなる文献はないと判断する. 低危険度の消化器内視鏡において,抗血栓薬内服者の出血性偶発症のリスクを算定した報告はみられない.出血低危険度の内視鏡的十二指腸乳頭バルーン拡張術と出血高危険度の内視鏡的十二指腸乳頭括約筋切開術のメタアナリシスの成績では,出血性偶発症の頻度が,前者が0 % に対して後者が2 % と報告されており,この治療成績を参照に,出血低危険度の内視鏡は,抗血栓薬内服継続においても出血性偶発症発症リスクが極めて低いと判断した. 米国消化器内視鏡学会のガイドラインにおいても,出血低危険度の消化器内視鏡では,抗血栓薬の休薬を必要としない.明確な根拠はないとしながら,事前の切開と拡張を伴わない,消化管ステント留置法については,出血性偶発症の頻度は極めて低いと判断されるものの,欧州消化器内視鏡学会のガイドラインでは,クロピドグレルの休薬を推奨していることを付記しておく. (本文,図表の引用等については,抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドラインの本文をご参照ください.)
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各種薬剤のフローチャートにつきましては、ステートメント1の解説をご参照ください。
科学的根拠は低いレベルの根拠のみであるが,その有益性は害に勝り,臨床的には有用と考えられる.参考としてあげられている文献は直接にステートメントをサポートするものではない.直接ステートメントのエビデンスとなる文献はないと判断する.
低危険度の消化器内視鏡において,抗血栓薬内服者の出血性偶発症のリスクを算定した報告はみられない.出血低危険度の内視鏡的十二指腸乳頭バルーン拡張術と出血高危険度の内視鏡的十二指腸乳頭括約筋切開術のメタアナリシスの成績では,出血性偶発症の頻度が,前者が0 % に対して後者が2 % と報告されており,この治療成績を参照に,出血低危険度の内視鏡は,抗血栓薬内服継続においても出血性偶発症発症リスクが極めて低いと判断した.
米国消化器内視鏡学会のガイドラインにおいても,出血低危険度の消化器内視鏡では,抗血栓薬の休薬を必要としない.明確な根拠はないとしながら,事前の切開と拡張を伴わない,消化管ステント留置法については,出血性偶発症の頻度は極めて低いと判断されるものの,欧州消化器内視鏡学会のガイドラインでは,クロピドグレルの休薬を推奨していることを付記しておく.
(本文,図表の引用等については,抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドラインの本文をご参照ください.)