ガイドライン

根拠と総意に基づくカンガルーケア・ガイドライン(完全版)

書誌情報
推奨のまとめ


カンガルーケアを行うにあたって:前提条件
角1 角2
 
カンガルーケア(直肌[じかはだ]のだっこ)を薦める際には、どのような場面でもご家族の心理的社会的な支援を整えることも含めて行ってください。また、実施に先立ちご家族に情報提供を十分に行い、ケア実施の希望を確認してください。
ときにご家族の考えと医療スタッフの考えがうまく一致しないことがあるかもしれませんが、「赤ちゃんが中心であるChild-centred Care」という原則をいつでも忘れずに行動しましょう。
ケアの実施にあたっては、直接のケアの時間内だけでなく、ケアの前後数時間を含めて安全面に最大限の配慮を行ってください。これらの条件が十分に守られない時は、形だけのカンガルーケアになってしまい本来の効果を期待できない恐れがあります。
 
角3 角4
注:推奨グレードは、根拠になる情報の確かさや強さに基づいてつけられたものであり、その推奨の重要度を示すものではありません。


トピック1  全身状態が落ち着いた低出生体重児に対する「カンガルーケア」
推奨グレードA 全身状態がある程度落ち着いた低出生体重児(※注1)には、まず母子同室を行った上で、出来る限り24時間継続した(※注2)カンガルーケアをすることが薦められる。
  • ※注1 ここでは、体重が2500g未満の児で、バイタルサイン(体温、呼吸数、脈拍数など)が安定していて、原発性の無呼吸(呼吸中枢の未熟性による無呼吸)がない、または治療済みの場合をさします。
  • ※注2 出来るだけ長時間、出来るだけ中断なく実施することが望まれます。


トピック2  集中治療下にある児に対する一時的な「カンガルーケア」
推奨グレードB 集中治療下(※注3)にある児へのカンガルーケアは、体温・酸素飽和度などのモニタリングで安全性を確保し、児の経過・全身状態から適応を入念に評価する(※注4)必要がある。さらにご家族の心理面に十分に配慮する環境が得られた場合(※注5)、実施を考慮する。
  • ※注3 超急性期は除く。人工呼吸管理下を含むか否かは、各施設の状況にあわせ、あらかじめスタッフ内で十分な意思統一が必須です。
  • ※注4 カンガルーケア実施中のみならず、前後数時間の状態、移動中も含めて児の状態を評価することが必要です。特に実施後の状態変化には注意を要します。
  • ※注5 ご家族の心の準備が十分にできていない状態でのカンガルーケアは不安を増大することがあるので注意を要します。


トピック3  正期産児に出生直後に行う「カンガルーケア」
推奨グレードB 健康な正期産児には、ご家族に対する十分な事前説明と、機械を用いたモニタリングおよび新生児蘇生に熟練した医療者による観察など安全性の確保(※注6)をした上で、出生後できるだけ早期にできるだけ長く(※注7)、ご家族(特に母親)とカンガルーケアをすることが薦められる。
  • ※注6 今後さらなる研究、基準の策定が必要です。
  • ※注7 出生後30分以内から、出生後少なくとも最初の2時間、または最初の授乳が終わるまで、カンガルーケアを続ける支援をすることが望まれます。



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