ガイドライン

(旧版)エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2009

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第16章 小児CKDの診断


解説

総論
[3]小児の腎機能の正常値

正期産児の生下時のGFRは成人の1/5程度であり,成人とほぼ同等になるのは2歳前後である.国内のデータは存在せず海外の小児の正常GFRを示した(表22),3)
血清Cr値は成長とともに増加する.日本人小児の血清Crの正常値のデータを示した(表34),5).生後1~2カ月までは血清Crは高値を示すことが多く個人差も大きいため,表3では1歳以上に限定した.この表の正常値はJaffé法によるものであることに注意を要し,以下の換算式を利用する.この換算式は以下に述べるSchwartz法によるeGFRの算定の際にも重要である.
  • Jaffé法のCr値=酵素法のCr値+0.2…(式1)
小児のeGFRの評価法として最も一般的かつ簡便であるのはSchwartz法である(表46),7).最近,シスタチンCによるeGFRがSchwartz法より正確という報告があり43),今後の検討課題である.

表2 小児の正常GFR
年齢 平均GFR mL/分/1.73m2
1~3日(男児・女児) 20±5
4~14日(男児・女児) 37±7
2~8週(男児・女児) 66±25
8週~2歳(男児・女児) 96±22
2~12歳(男児・女児) 133±27
13~21歳(男児) 140±30
13~21歳(女児) 126±22

表3 小児の正常血清Cr(Jaffé法)
年齢(歳) 男児 女児
1 0.4(0.3~0.6) 0.4(0.3~0.6)
2 0.4(0.3~0.6) 0.4(0.3~0.6)
3 0.5(0.3~0.7) 0.4(0.4~0.7)
4 0.5(0.3~0.7) 0.5(0.4~0.7)
5 0.5(0.3~0.7) 0.5(0.4~0.8)
6 0.5(0.4~0.7) 0.5(0.4~0.8)
7 0.6(0.4~0.7) 0.5(0.4~0.8)
8 0.6(0.4~0.7) 0.6(0.4~0.8)
9 0.6(0.4~0.8) 0.6(0.4~0.8)
10 0.6(0.4~0.8) 0.6(0.4~0.8)
11 0.6(0.4~0.8) 0.6(0.4~0.8)
12 0.7(0.5~0.8) 0.6(0.4~0.9)
13 0.7(0.5~0.9) 0.6(0.4~0.9)
14 0.8(0.6~0.9) 0.7(0.4~0.9)
15 0.8(0.6~1.0) 0.7(0.5~1.0)
16 0.9(0.7~1.0) 0.7(0.5~1.0)
17 0.9(0.7~1.1) 0.8(0.5~1.1)
成人 1.05(0.8~1.3) 0.8(0.6~1.0)
Jaffé法から酵素法への換算は,〔酵素法=Jaffé法-0.2〕で計算する.

表4 SchwartzのeGFR換算式
小児の推定GFR(mL/分/1.73m2)=k(係数)×身長(cm)/血清Cr(㎎/dL)
  • *計算式の血清CrはJaffé法を使用する.
  • *酵素法からJaffé法への換算は,Jaffé法=酵素法+0.2として計算する.
  • *SchwartzのeGFR換算式の係数は以下に従う
年齢 k
低出生体重時(1歳未満) 0.33
正常出生体重児(1歳未満) 0.45
2~12歳 0.55
女児(13~21歳) 0.55
男児(13~21歳) 0.7


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