ガイドライン

(旧版)変形性股関節症診療ガイドライン

書誌情報
序文


日本整形外科学会
診療ガイドライン委員会
委員長 
久保俊一

日本整形外科学会の診療ガイドラインは,日常診療において質の高い医療を提供するための拠り所として,また,医師と患者さんのインフォームドコンセント獲得および治療方針選択を助ける手引きとして,平成14年から策定が始められた.
まず,11疾患に対する診療ガイドライン策定に着手し,平成17年から19年までに9疾患の診療ガイドラインが完成した.平成19年には新たに3疾患の診療ガイドライン策定が決定し,2疾患については,診療ガイドラインに基づいた患者さんのためのガイドラインを刊行した.当初計画した11疾患については,平成20年中にすべての診療ガイドラインが完成する予定である.
診療ガイドラインの策定にあたっては,まず,国内外の科学論文を広範囲に収集し,その論文を科学的根拠に基づいて評価し,それぞれの疾患のエキスパートが厳密な査読を行ってエビデンスレベルを決定した.日常診療において直面する疑問(リサーチクエスチョン)を設定し,集積したエビデンスに基づいて,それぞれのリサーチクエスチョンに対する推奨内容および推奨度を示した.推奨内容と推奨度は,ガイドライン策定委員が慎重な討議を重ね,かつパブリックコメントでの客観的な評価を踏まえて示したものである.ただし,診療ガイドライン策定を行った時点で十分なエビデンスが確定していない内容の場合は,エキスパートオピニオンを踏まえ,策定委員が推奨度を設定した.
診療ガイドラインはエビデンスの集約ではなく,エビデンスに基づいた診療の手引きである.また,60〜95%程度の患者さんについて,エビデンスに基づいた選択肢を提示したものである.したがって,すべての患者さんあるいはすべての臨床的局面に対応できる標準的な治療方針ではない.また,個々の医師の決定権を制限するものでもない.この点を十分念頭においた上で診療ガイドラインを活用していただきたい.
診療ガイドライン策定に尽力された策定委員の先生方,パブリックコメントに建設的な意見を寄せていただいた会員の皆様,および委員会運営に力強い支援をくださった担当理事の先生方にお礼を申し上げたい.

2008年5月

 

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