ガイドライン

(旧版)エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン[第1版]

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VIII:放射線療法・Photodynamic therapy

 
CQ-34 切除不能胆管癌の治療として,photodynamic therapyは推奨されるか?

切除不能胆管癌の治療として,photodynamic therapyの有用性を支持する報告が近年みられ,行うことを考慮してもよい。。(推奨度C1


切除不能胆管癌の治療としてphotodynamic therapyの論文は,RCT2編,phase II study3編が報告されている。ただし,本療法は,本邦では現在のところ保険適応になっていない。
2編のRCTは,胆道ステント併用photodynamic therapyと胆道ステント単独を比較している。Ortnerら1)は,生存期間中央値(493日vs98日)は有意に延長しており,QOLが有意に良好であったと報告している(レベルII)。この試験は,胆道ステント単独の予後が不良であるため勧告により中止となっている。Zoepfら2)は,生存期間中央値(21ヵ月vs7ヵ月)が有意に延長したと報告している(レベルII)。これらのRCTは,2編とも対象症例数が20例vs19例,16例vs16例と小規模の試験である。
Phase II studyでは,Berrら3)は23例を対象とし,診断後の6ヵ月生存率は91%,生存期間中央値11ヵ月,30日死亡率4%,local tumor response PR13%であり,QOLの改善を認め,photodynamic therapyは有用であると報告している(レベルIV)。Dumoulinら4)は24例を対象とし,平均生存期間および生存期間中央値は,15.9ヵ月および9.9ヵ月であり,historical control groupの12.5ヵ月および5.6ヵ月と比較し有意な延長は認めなかった。QOLは多くの患者で維持されていた。30日と60日の死亡率は,ともに0%であったと報告している(レベルIV)。著者はその考察で,今までの胆道ステント単独のみの治療を行った文献報告より,historical control groupの生存期間が極めて良好であるため,生存期間に有意差が出なかったのではないか述べている。Shimら5)は24例を対象とし,1年生存率は59.6%,生存期間中央値は558±178.8日であった。IDUSを用いた腫瘍の厚さは,治療前8.7±3.7mmから治療後4ヵ月5.8±2.0mmに有意に減少した。また,Karnofsky statusは改善していたと報告している(レベルIV)。
以上の結果から,胆道ステント併用photodynamic therapyは,生存期間の延長やQOLの向上認められるが,RCTでの症例数が少なく,現状では強く推奨できるレベルではない。今後の大規模なRCTの結果が待たれる。


引用文献
1) Ortner ME, Caca K, Berr F, Liebetruth J, Mansmann U, Huster D, et al. Successful photodynamic therapy for nonresectable cholangiocarcinoma: A randomized study prospective study. Gastroenterology. 2003;125:1355-63.
2) Zoepf T, Jakobs R, Arnold JC, Apel D, Riemann JF. Palliation of nonresectable bile duct cancer: Improved survival after photodynamic therapy. Am J Gastroenterol. 2005;100:2426-30.
3) Berr F, Wiedmann M, Tannapfel A, Halm U, Kohlhaw KR, Schmidt F, et al. Photodynamic therapy for advanced bile duct cancer: Evidence for improve palliation extended survival. Hepatology. 2000;31:291-8.
4) Dumoulin FL, Gerhardt T, Fuchs S, Scheurlen C, Neubrand M, Layer G, et al. Phase II study of photodynamic therapy and metal stent as palliative treatment for nonresectable hilar cholangiocarcinoma. Gastrointest Endosc. 2003;57:860-7.
5) Shim CS, Cheon YK, Cha SW, Bhandari S, Moon JH, Cho YD, et al. Prospective study of the effectiveness of percutaneous transhepatic photodynamic therapy for advanced bile duct cancer and role of intraductal ultrasonography in response assessment. Endoscopy. 2005;37:425-33.


【参照】
V:術前胆道ドレナージ CQ-11 術前胆道ドレナージとしては何が適切か?
V:術前胆道ドレナージ CQ-12 肝門部悪性閉塞に対する胆道ドレナージは,片側肝葉か両側肝葉ドレナージか?


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