ガイドライン

(旧版)エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン[第1版]

書誌情報
V:術前胆道ドレナージ

 
はじめに

1980年代,術前PTBDの意義に関するいくつかのrandomized controlled trial(RCT)が欧米で行われたが,その結果は“PTBDによる術前減黄術は手術成績に好影響を及ぼさない”というものであった。しかし,対象となった症例の手術内容は,バイパス手術などの姑息的切除が大部分で,major surgeryとしては膵頭十二指腸切除が数例含まれているに過ぎなかった。また,PTBDの合併症発生率が高く,ドレナージ期間も不十分であった。したがって,これらRCTの結果をそのまま受け入れるのは問題が多かったが,閉塞性黄疸に対する術前減黄術を見直す嚆矢となった点は大いに意義があった。
その後,術前減黄術に対する考え方は大いに変化し,膵頭十二指腸切除でも多くの症例で術前減黄術は必要ないとのコンセンサスが得られつつあるが,多数例を対象としたRCTによる質の高いエビデンスが得られているわけではない。最近では,閉塞性黄疸肝に対する広範囲肝切除にも術前胆道ドレナージは不要であるとする尖鋭的報告もなされているが,その適応基準に一定の見解がなく,今後,全国規模での臨床試験が期待される。
本稿では,術前胆道ドレナージに関する6つのクリニカルクエスチョンを設定し,それぞれについて現在までのエビデンスをまとめた。

 

書誌情報