ガイドライン

(旧版)エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン[第1版]

書誌情報
III:予防・疫学

 
Side memo 1
原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis;PSC)
定義:肝内外の胆道の線維性狭窄を生じる進行性慢性炎症性疾患。現在に至るまで有効な治療法は明らかにされておらず,最終的には肝移植の適応となる予後不良な疾患である。本症の病因は不明であり,自己免疫異常が疑われている。
診断基準
1.典型的胆管像
典型的な胆管像は肝内および肝外胆管にびまん性狭窄(multifocal stricturing)と数珠状所見(beaded appearance)を呈する。数珠状所見とは,短い狭窄や輪状狭窄(annular stricture)と正常あるいは軽度拡張した部分が交互にあらわれることによりみられる像である。胆管の線維性狭窄部分と正常部分が数珠状につながった状態を反映していると考えられている。非常に短い狭窄帯である帯状狭窄(band-like stricture)を呈する例は1/5 程度あり,突出した憩室様変化(diverticulum-like outpouchings)は1/4 程度にみられる。その他,肝内枝が減少する枯れ枝状所見(pruned tree sign)や肝外胆管にshaggy signと呼ばれる胆管壁不整像がよく認められる。
2.臨床像に矛盾のないこと
病歴:炎症性腸疾患の存在,胆汁うっ帯症状
生化学データ:6ヵ月以上のALP高値(正常値の2〜3倍)
3.除外診断
二次性の硬化性胆管炎の除外診断
  • AIDSによる感染性胆管炎
  • 胆管の悪性新生物など(PSC診断時に合併する早期胆管癌を除く)
  • 胆道系手術の既往(単純胆摘を除く)
  • 胆管狭窄や胆管結石にともなう細菌性胆管炎
  • floxuridineによる虚血性胆管炎,などが除外診断としてあげられる。


図1 PSCのERCP像
図1 PSCのERCP像
肝内外胆管のびまん性狭窄と肝外胆管のshaggy appearanceが認められる。


【参照】
III:予防・疫学 CQ-1 胆道癌のリスクファクターはどのようなものがあるか? 1) 胆管癌のリスクファクター 原発性硬化性胆管炎


 

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