ガイドライン

(旧版)食道癌診断・治療ガイドライン 2007年4月版

書誌情報
はじめに(初版序)

 
日本食道疾患研究会
会長
 磯野  可一

日本食道疾患研究会も昭和40年発足以来,約40年近い歳月を経ました。その間,医学・医療も急速の進歩を遂げ,特に食道癌治療においては,多くの先達の努力によりその進歩には見るべきものがあります。
手術成績向上の時代から遠隔成績向上の時代を迎え,拡大手術期に入り,さらに現在では患者QOLの向上の時代,縮小手術の時代を迎えております。そして,食道癌治療は,一部の特定施設によって行われるものではなく,一般病院でも治療できるようになってまいりました。また,これまで手術の補助療法と考えられていた放射線療法,免疫化学療法なども単独で,または,疾患の時期や種類によってはなくてはならない合併療法となっております。
食道癌治療は,消化器疾患の中でも高齢者が対象であり,また,病態が極めて複雑であるだけに治療法も多岐にわたり大変困難であります。
昨今,患者さんにとってどこでも,何時でも,最も適切な治療法が選択されるように疾患ごとにevidence-based medicineとしての治療ガイドラインが作成されるようになってきました。
そこで,日本食道疾患研究会では,この時期において最も適切と思われる治療法をまとめ,食道癌治療に携わる先生方の治療上の参考に供するとともに,患者さんに適切な治療が行われることを願い,“食道癌治療ガイドライン”を作成するための委員会を設置しました。
ただ,本ガイドラインは,これまでの臨床的研究に基づいた多くの豊富な文献を解析して,現時点で適切と判断した標準的治療法を提示しているものであり,あくまでも参考とすべきものであります。このガイドラインが,個々の患者さんの病態に合った細部の治療まで規定するものではありません。
治療は,患者さん個人個人に合ったテーラメイド治療こそが重要であります。また,このガイドラインが,医学・医療の進歩を妨げるものになってはなりません。さらに,医学は日進月歩するものであり,本ガイドラインより,より良い治療法が次々に確立されてくるものと思われます。
その時は,日本食道学会の名のもとに,安全性と効果を確認し,躊躇することなく改訂に踏み切っていただきたいと思います。
最後に各委員の先生方の大変な御努力により,短期間に本ガイドラインが作成され,今日ここに日の目を見ることができたことは真に喜ばしく,先生方の御苦労に感謝申し上げます。それだけに本ガイドラインが,食道癌治療に携わる方々に有効に使用され,病める患者さんのために大いに役立つことを期待致します。

2002年12月



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