ガイドライン

(旧版)大腸癌治療ガイドライン医師用 2010年版

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Clinical Questions

 


CQ19:大腸癌術後サーベイランスの意義
19A  再発診断
推奨カテゴリーA
再発の早期発見が予後向上に寄与することが示されており,定期的な術後サーベイランスを実施すべきである。
ただし,医療経済学的観点も含めた至適なサーベイランスプロトコールは十分に確立されていない。



定期的にサーベイランスを行う背景には,「再発の早期発見が予後の改善に結びつく」という前提が存在する。本邦には大腸癌術後のサーベイランスの意義を系統的に検証した臨床試験は存在しないが,欧米ではサーベイランスの疎密と予後の関連が複数のRCTで検討されている318),319),320),321),322),323),324),325),326)。これらのなかにはintensiveなサーベイランスが良好な予後に寄与するという報告がある一方321),323),325),その有効性を否定する報告もある318),319),320),322)
メタアナリシスによる研究185),186),187),188),189),190),327)のうちRCTを解析した5つの報告185),186),187),188),189)を示す(表)。サーベイランスプロトコール自体が相違する試験の解析ではあるが,いずれもintensiveなサーベイランス群の再発切除率と予後が対照群を有意に上回り,定期的なサーベイランスによる再発の早期発見は予後向上に寄与することが示されている。ただし,これらの臨床試験でintensiveに位置づけられているサーベイランスには,検査間隔が長く322),腫瘍マーカーの測定や画像診断を省略しているものがあるなど318),320),326),本邦で一般的に行われているサーベイランスよりもlow intensityなものが少なくないことに留意する必要がある。
本邦における現状のサーベイランスの妥当性,新しい診断モダリティの導入,さらにintensiveなスケジュールを組むことの臨床的意義に関する解答は,過去の臨床試験からは得られず,最良なサーベイランスの方法の確立は今後の課題である。


表 intensive surveillance 群の再発発見時期,再発巣切除率,全死亡率
(less or no intensive surveillance 群と比較)

 

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