ガイドライン

(旧版)大腸癌治療ガイドライン医師用 2010年版

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Clinical Questions

 


CQ18:切除不能な局所進行・局所再発直腸癌に対する化学放射線療法
推奨カテゴリーC
切除不能と判断される局所進行・局所再発直腸癌に対しても,R0切除による治癒を指向した化学放射線療法の適応を検討する。



切除不能な局所進行・局所再発直腸癌に対しても,R0切除を目指した化学放射線療法が行われている(「CQ-6」参照)。切除不能直腸癌だけを対象としたRCTは行われていないが,切除断端とpCRが重要な予後因子であるとされ,さまざまな抗がん剤との併用療法が検討されている312),313),314)。NCCNのガイドラインは,5-FUベースの化学療法の併用,骨盤部への45〜50Gy/25〜28分割の線量投与,腫瘍局所への5.4Gy/3分割の追加照射を行い,手術で切除断端陰性が得られれば,術後に5-FUベースの化学療法を追加,切除断端に癌が近接しているか断端陽性であれば,術中または術後照射を追加することを推奨している。
術中照射は,実施可能な施設が限られるものの,術前化学放射線療法後に10〜20Gyの術中照射を行い,予後が改善したという報告があり161),315),特に他臓器浸潤例または再発例で切除断端が陽性もしくは近接している場合には局所制御率の向上のために考慮してもよい療法である。
近年,三次元原体照射314)や強度変調放射線治療316)などが利用できるようになり,有害事象が危惧される小腸などの隣接臓器への線量を低下させながら,病変部への線量を増加することが可能となってきた。また,炭素線317),陽子線などの重イオン線を用いた治療により卓越した線量分布が可能となり,特に炭素線は高い生物学的効果が期待されている。今後はこれらの放射線療法を用いて,標的体積の設定法,線量増加,併用薬剤等による有効性と安全性の向上について,適正に計画された臨床試験を実施していく必要がある。

 

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