ガイドライン

(旧版)大腸癌治療ガイドライン医師用 2010年版

書誌情報
Clinical Questions

 


CQ14:術後補助化学療法におけるoxaliplatin(L-OHP)
推奨カテゴリーA
L-OHPは2009年8月,術後補助化学療法の適応が承認された。対象の選択にあたっては,期待される生存期間の上乗せ効果のみならず,有害事象および医療コストについての十分なインフォームド・コンセントのもとに適応を判断する必要がある。



欧米におけるRCTから,StageIII結腸癌術後補助化学療法としての5-FU+LV+L-OHP(FOLFOX4療法,FLOX療法)の有用性が報告されている95),96)。StageIII結腸癌の術後補助化学療法として静注5-FU+LVとの比較を行った2つのRCT(MOSAIC試験,NSABP C-07)でL-OHPの上乗せ効果の有効性が示されている。現在,欧米ではこれらのRCTを踏まえて,5-FU+LV+L-OHPがStageIII結腸癌術後補助化学療法の標準に位置づけられている。MOSAIC試験の6年追跡データ97)では,FOLFOX4療法とLV5FU2療法の6年生存率は,それぞれ73.0%および68.6%であった。
一方,FOLFOX4療法では発熱性好中球減少や Grade3/4の下痢の発生頻度が高く,Grade3の末梢神経障害が12.4%に出現し,末梢神経障害の未回復例が治療終了3年後にも15%に認められている。同様にNSABP C-07においても,FLOX療法の有効性が示されたが,38%に Grade3/4の下痢が発生している96),98)
ひるがえって,日本の結腸癌の手術治療成績は概して海外よりも良好であり,例えば大腸癌全国集計によれば StageIIIa,StageIIIb 結腸癌の5年全生存率はそれぞれ76.1%,62.1%である(資料, 表5参照)。L-OHPの使用にあたっては,それぞれの施設の手術治療成績,有害事象(特に末梢神経障害と下痢),および医療コストを含めて適応を吟味する必要がある。
なお,経口抗がん剤とL-OHPとの併用療法は,欧米での有用性の報告はあるものの,国内では2010年7月現在,術後補助化学療法として未承認である99)

 

書誌情報