ガイドライン

(旧版)大腸癌治療ガイドライン医師用 2010年版

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Clinical Questions

 


CQ6:直腸癌局所再発に対する外科治療
推奨カテゴリーB
R0切除が可能と判断される直腸癌局所再発に対しては切除を考慮すべきである。



直腸癌局所再発に対し,外科治療と放射線療法を比較したRCTはないが,外科治療例の5年生存率は20〜40%であり,これに相応する放射線療法の治療成績はない245),246)。切除可能な局所再発に対しては切除を考慮すべきである。ただし,R0を目指した切除でも,癌が遺残した場合の予後は極めて不良であること,手術合併症の発生率が高いこと,骨盤内臓器や仙骨合併切除はQOLに多大な影響を及ぼす術式であることについて十分なインフォームド・コンセントを得ることが不可欠である。吻合部再発と前方再発はR0切除可能例が多いが30),後方再発でも仙尾骨合併切除によりR0切除が可能となるものがある247)。ただし,第2仙骨下縁より高位の切断が必要な再発は手術の適応外とするのが一般的である247)。遠隔転移を有する症例は切除の適応外とするのが原則であるが,遠隔転移の合併切除で根治性が得られるものもある248)。仙骨神経叢浸潤による疼痛や下肢の浮腫,術前CEA高値などは予後不良因子であり249),250),再発に起因する水腎症は手術適応の除外因子と考えられる251),252)。初回手術で側方郭清が行われている症例の側方再発では完全切除が行える可能性は低いとされる28)
手術補助療法として放射線療法の有効性が認められており253),254),特に放射線治療歴のない症例では切除率,括約筋温存率の向上に寄与することが報告されている255),256),257)。欧米では初発癌の手術補助療法として放射線療法を用いることが多いので,局所再発に対する追加照射の安全性が危惧されるが,照射法を工夫することで放射線治療歴がある局所再発にも比較的安全に実施可能とされる258),259),260)
以上から,直腸癌局所再発に対しては外科治療が第一選択である。側方郭清という独自の治療方針をもち,放射線治療歴のない局所再発が多い本邦において,どのように放射線療法を活用するかが焦眉の検討課題である。

 

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