ガイドライン

(旧版)大腸癌治療ガイドライン医師用 2010年版

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各論

 

4.血行性転移の治療方針


 2) 肺転移の治療方針



 ・  肺転移の治療には,肺切除と化学療法がある。
 ・  肺転移巣の切除が可能であれば肺切除を考慮する。
 ・  肺切除には系統的切除と部分(非系統的)切除がある。

肺切除の適応基準
(1) 耐術可能。
(2) 原発巣が制御されているか,制御可能。
(3) 肺転移巣を遺残なく切除可能。
(4) 肺外転移がないか,制御可能。
(5) 十分な残肺機能。

 ・  切除不能肺転移で全身状態が一定以上に保たれる場合は,全身化学療法を考慮する。
 ・  耐術不能な場合でも,原発巣と肺外転移が制御されているか,制御可能で,肺転移個数が3〜4個以内であれば定位放射線治療も考慮する。
 ・  全身状態が不良な場合は適切なBSCを行う。


 コメント 

 [肺切除]
(1) 肺切除は,コホート研究や第III相試験から導き出された結論ではないが,選択された症例に対しては他の治療法と比較研究することが許容し難いほどの良好な成績が示されている47),59),60),61),62),63),64),65),66),67),68),69),70),71)
(2) 肺切除の5年生存率は30〜50%である。本邦で行われた多施設集計では肺切除569例の3年生存率は53.8%,5年生存率は38.8%,非切除416例の3年生存率は8.8%,5年生存率は2.4%であった67)
(3) 同時性肺転移では,原発巣の切除を先行し,局所の根治性を評価することが望ましい。したがって,原則的に同時性肺転移は異時切除となる。
(4) 転移巣の数,大きさ,部位および気管支内進展を評価し,切除断端距離を確保した転移巣の完全切除ができる術式を決定する。
(5) 肺門・縦隔リンパ節郭清の意義は定まっていない。予後不良因子として,転移個数,肺門・縦隔リンパ節転移,肺切除前血清CEA値などが報告されている63),65),66),68),69),70),71)
(6) 制御可能な肺外転移例(主に肝転移)では,肺切除の有効性を示唆する報告がある25),47),66),71),72)
(7) 残肺再発に対する再肺切除で20〜48%の5年生存率が報告されている。肺切除後の残肺再発に対しても前述の肺切除の適応基準に準じて切除を考慮する63),70),71),73)



 

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