ガイドライン

(旧版)大腸癌治療ガイドライン医師用 2010年版

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各論

 

2.StageIV大腸癌の治療方針


[StageIV大腸癌の治療方針]
StageIV大腸癌の治療方針




 ・  StageIV大腸癌では以下のいずれかの同時性遠隔転移を伴う。
肝転移,肺転移,腹膜播種,脳転移,遠隔リンパ節転移,その他の転移(骨,副腎,脾など)。
 ・  遠隔転移巣ならびに原発巣がともに切除可能な場合には,原発巣の根治切除を行うとともに遠隔転移巣の切除を考慮する。
 ・  遠隔転移巣が切除可能であるが原発巣の切除が不可能な場合は,原則として原発巣および遠隔転移巣の切除は行わず,他の治療法を選択する。
 ・  遠隔転移巣の切除は不可能であるが原発巣切除が可能な場合は,原発巣の臨床症状や原発巣が有する予後への影響を考慮して,原発巣切除の適応を決める。(CQ-4)


 コメント 

(1) 遠隔転移の頻度を表に示す(「資料」,表6)。
(2) 肝転移を伴う場合
 ・  転移巣が切除可能であれば,原発巣切除のうえ,肝転移巣切除を考慮する。
 ・  原発巣と肝転移巣との同時切除も安全に行われるが20),肝切除の難度や患者の全身状態等により,異時切除も行われる。
(3) 肺転移を伴う場合
 ・  転移巣が切除可能であれば,原発巣切除のうえ,肺転移巣切除を考慮する。
 ・  原発巣切除後に改めて肺転移巣を切除する異時切除が一般的である。
(4) 腹膜播種を伴う場合(CQ-5)
 ・  P1は完全切除が望ましい21),22)
 ・  P2で容易に切除可能なものは完全切除を考慮する。
 ・  P3の切除効果は確立されていない。
(5) 遠隔リンパ節転移を伴う場合
 ・  遠隔リンパ節転移の切除を考慮してよいが,明確な治療効果は示されていない23)
(6) その他の遠隔転移(骨,脳,副腎,脾など)を伴う場合
 ・  これらの転移巣については切除の報告はあるが,生命予後への明確な効果は示されていない。
(7) 複数部位への遠隔転移を伴う場合
 ・  肝と肺への転移が代表的なものである。
 ・  原発巣と肝・肺転移巣の切除が安全かつ容易であれば,切除も考慮される24),25)
(8) 遠隔転移巣切除後の補助療法
 ・  再発高危険群であり,化学療法が一般的に行われているが,その治療効果は確認されておらず,臨床試験で検討中である26)
(9) 遠隔転移巣への切除以外の治療法
 ・  全身化学療法,局所化学療法,熱凝固療法,放射線照射療法などが行われる。


 

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