ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく
膵癌診療ガイドライン 2006年版

書誌情報
 
CQ5 補助療法


CQ5-2 膵癌の術中放射線療法は推奨されるか?

【エビデンス】
1. 膵癌の術中放射線治療(IORT)については,国内外から臨床研究が複数報告されているが,切除単独と比較したランダム化比較試験は行われていない。また,検討の多くは術後放射線(化学)療法や化学療法を併用しており,方法も一定していない。国内では,拡大切除術にIORTを加えると予後が改善されたとする報告がいくつかある1),2),3)(レベルIV)。また,Reniらは治癒切除された膵癌症例203例で,IORTが行われた127例と行われなかった76例で予後をStage別に比較し,Stage I,IIの膵癌ではIORTが予後を有意に改善したが,Stage III,IVでは効果がなかったと報告している4)(レベルIV)
   
2. それら以外の報告で,切除単独群に比べてIORTを併用した場合に,有意差をもって生命予後を改善したという結果は得られていない5),6),7),8),9),10),11),12),13)(レベルIV)
   
3. 前向きのコホート研究として中迫らの報告がある5)。その報告によると,拡大手術を施行した膵頭部癌70例にIORT を加えた16例と,加えなかった手術単独54例を比較したが,中央生存期間は両者とも13カ月であり,1,2,3,5年生存率は,それぞれ,72%と51%,19%と16%,8%と16%,0%と16%で有意な差を認めなかった。組織学的治癒切除42例(手術単独30例,術中放射線治療併用12例),組織学的非治癒切除28例(手術単独24例,術中放射線治療併用4例)に分けて検討した結果も同様であった(レベルIV)
   
4. IORTが膵癌の局所再発を抑制するという複数の報告がある一方4),6),7),11),局所再発率に影響しないとする報告もみられ5),9),一定の見解は得られていない(レベルIV)


 

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