ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく
膵癌診療ガイドライン 2006年版

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CQ1 診断法


CQ1-2 膵癌を考える臨床症状は何か?

【エビデンス】
初発症状として腹痛,黄疸,腰背部痛が多く,次いで体重減少,消化不良症状などである1),2),3)(レベルIV)。膵癌の局在から比較すると,頭部癌で症状の発現率が最も高く,黄疸63% ,腹痛64%,体重減少53%がみられ,体部癌では腹痛が93%と最も高い4)(レベルIV)。また,膵癌患者の0〜15%に,腹痛や黄疸が発現する前に食欲低下22%,掻痒感6.6%,便通変化4.9%,気分の変化3.3%,嗜好の変化1.6%などの多様な非特異的症状が認められたとの報告がある5)(レベルIII)。しかし,わが国の膵癌集計によると,膵癌と診断された時点で無症状が12.4%であった2)(レベルIV)。2cm以下の膵癌では初発症状として腹痛が24.5%と最も多いが,18.1%が無症状という報告6)(レベルIV)もある。
糖尿病はしばしば膵癌の既往歴にみられるが,膵癌が診断される前に糖尿病が発症していることが多く,膵癌患者187例での検討で先行2年以内の糖尿病発症が52.5%と高率に認められている7)(レベルI)8)(レベルIV)。2cm以下の膵癌では糖尿病の増悪が8%に認められている6)
以上のように,臨床症状から膵癌を早い段階で発見することは容易ではない。


 

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