ガイドライン

(旧版)科学的根拠に基づく
膵癌診療ガイドライン 2006年版

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3.ガイドライン作成法

2004年3月5日,第1回日本膵臓学会膵癌診療ガイドライン作成小委員会を開催し,各分野の分類とチーフ(○印)および分担を決定した。すなわち,診断法を○白鳥敬子(東京女子医科大学消化器内科学),山雄健次(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部),中尾昭公(名古屋大学病態制御外科学),羽鳥 隆(東京女子医科大学消化器外科学),化学療法を○船越顕博(九州がんセンター消化器内科),奥坂拓志(国立がんセンター肝胆膵内科),中尾昭公(名古屋大学病態制御外科学),井上総一郎(名古屋大学病態制御外科学),放射線療法を○唐澤克之(都立駒込病院放射線科),砂村真琴(東北大学消化器外科学),土井隆一郎(京都大学腫瘍外科学),外科的治療法を○山口幸二(九州大学臨床・腫瘍外科学),中尾昭公(名古屋大学病態制御外科学),井上総一郎(名古屋大学病態制御外科学),石川 治(大阪府立成人病センター外科),土井隆一郎(京都大学腫瘍外科学),砂村真琴(東北大学消化器外科学),梛野正人(名古屋大学器官調節外科学),補助療法を○石川 治(大阪府立成人病センター外科),奥坂拓志(国立がんセンター中央病院肝胆膵内科),下瀬川徹(東北大学消化器病態学)が各々担当することとした。各分野で検討を加え,3〜6つのクリニカルクエスチョン(CQ)を決定した。
2004年7月13日,仙台で開催された第11回国際膵臓学会の際,各分野のチーフによる小委員会を行った。国立保健医療科学院研究情報センター磯野 威氏の紹介で,文献検索とMedical Information Network Distribution Service(MINDS)/日本医療機能評価機構の面より東邦大学医学メディアセンター山口直比古氏にもご出席頂き,MINDSの立場などをお話し頂いた。Evidence-based medicine (EBM)の基本となる文献検索に関しては山口直比古氏を中心に,各分野ごとに以下のような図書館員の方々に文献検索を手伝って頂いた。文献検索は医学中央雑誌,Medline(1990年以降)のものを対象とした。詳細は各CQの項目に記載している。担当は診断法:三浦(東京女子医大),化学療法:大崎(東京慈恵医科大学),放射線療法:山口(東邦大学),外科的治療法:諏訪部(杏林大学),補助療法:平輪(東邦大学)の諸氏である。
次に構造化抄録の作成に移った。EBMの概念を中核において,より客観的にエビデンスを抽出すべく系統的に文献を検索,収集し,構造化抄録を作成し(2人以上),エビデンスレベルを決定した。構造化抄録の作成に際して,当初はMINDSのver.1利用を検討したが,各委員より複雑で分かり難いので使いにくいとの意見が相次いだ。検討の結果,すでに出版されて使いやすいと考えられた「乳癌診療ガイドライン 1.薬物療法」の構造化抄録のフォームを採用するように変更をした。その後,癌治療学会よりMINDSのフォームを使うようにとの間接的指導を受けたが,すでに構造化抄録の作成に取りかかっていたので,乳癌診療ガイドラインの構造化抄録フォームをそのまま利用することとした。
文献のエビデンスレベルは,当初オックスフォード分類を利用する予定であったが,日本癌治療学会の指導に従い,福井次矢氏の「診療ガイドラインの作成の手順ver.4.3」のものを使うこととなった。また,同時に推奨度もこれを利用することとした。その後,CQ毎に推奨,推奨度の決定,エビデンスの作成,引用文献作成,評価作業を行って,ガイドライン作成を進めた。このように種々の癌腫に対して日本癌治療学会を中心に統一された癌診療ガイドラインの作成は新たな試みであり,また,診療ガイドライン自体に決まった形式がなく,日々改良されている段階であり,途中で種々の変更を余儀なくされるために,関係委員に幾分かの困惑と混乱を招く結果となった。
2005年1月18日,CQに対する推奨,推奨度,エビデンス,引用文献,構造化抄録が一通り揃った段階で,東京において第2回日本膵臓学会膵癌診療ガイドライン作成小委員会を開催し,細かい点につき議論を交わした。なお,日本癌治療学会の癌診療ガイドライン委員会佐治重豊委員長にも議論に加わって頂いた。
2005年4月の第91回日本消化器病学会総会,2005年6月の日本肝胆膵外科関連会議で公聴会を開いた。2005年7月22日第4回膵癌診療ガイドライン小委員会を東京で行い,CQ,推奨,推奨度に加えて明日への提言についても意見を交換した。2005年7月の第36回日本膵臓学会大会において公聴会を開催し,フィードバックを得た。2005年10月,日本膵臓学会HPに日本膵臓学会会員を対象に膵癌診療ガイドライン(案)を公開し,学会会員より意見を求めた。これらを基にガイドラインの再検討を行い,その後,評価委員会によってガイドライン内容が検討され,今回出版の運びとなった。

 

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