ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

書誌情報
第6章 薬物療法

 
1 前立腺癌における内分泌療法

前立腺癌においては,内分泌療法にまさる化学療法は,現時点では存在しない。各種内分泌療法の近接効果は著明であるが,その効果の持続が進行例では2〜3年であること,また,erectile dysfunction(ED)やlibidoの低下など性関連の副作用1),2)(II)が問題となり,その適応には限界がある。
最も一般的な内分泌治療としては,luteinizing hormone-releasing hormone(LH-RH)アゴニストおよび抗アンドロゲン剤の併用あるいは単独療法が行われる。LH-RHアゴニストとしては,goserelinあるいはleuprorelinの1カ月および3カ月製剤が使用されている。antiandrogenとしてはステロイド性と非ステロイド性が日本で承認されている。LH-RHアゴニスト使用においては,投与初期に起こる一過性のテストステロン値上昇に伴うフレアアップ現象による尿路閉塞,転移巣に由来する骨痛,脊髄圧迫などが懸念される場合は抗アンドロゲン剤の併用を考慮すべきである。LH-RHアゴニストの有効性は去勢術と同等と考えられるが,有意差は認めないものの抗アンドロゲン剤の単独療法の有効性はLH-RHアゴニストと比較して低いと報告されている。しかし,一方では非ステロイド性抗アンドロゲン剤は性関連の副作用が少なく,対象によってはこれらの単独療法の有用性が指摘されている。また,局所限局性あるいは浸潤癌において,根治的手術・放射線療法・慎重な経過観察を受けた症例に対するbicalutamideの補助療法としての有用性の検討では有意なPSA doubling timeの延長とobjective progression riskの低下が認められた3),4),5)(II)。生存期間延長の効果については現在大規模な検討が行われている。
化学内分泌療法がStage IVに対して内分泌単独療法より有効かどうかの検討がなされている。

 

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