ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

書誌情報
第5章 放射線療法

 
I.その他の放射線治療の適応
CQ2  〔内分泌療法後の局所再発〕ホルモン不応癌での局所再燃に対する放射線治療は有効か?

推奨グレード C
ホルモン不応癌の局所再燃に対する放射線治療は,局所制御において利益があるが,生存率を向上させるか否かについては推奨できるだけの根拠が明確でない。

 解 説
現在のわが国の現状では,まだ日常診療で限局性もしくは局所進行性前立腺癌に対して内分泌療法単独治療が行われているケースがあり,そのようなケースで内分泌不応性となって局所再燃した場合に,はじめて放射線療法が行われている。
そのような症例を集積した内外の報告1),2),3)(III)によれば,局所の制御は比較的良好であるが,所属リンパ節や遠隔臓器への転移が比較的高率(25-68%)に認められ,5年非再燃生存率も60%以下にとどまっている。特に放射線療法開始時のPSA値が高い(15ng/mlあるいは20ng/ml以上)症例は予後不良とされている1),2)(III)。一方,高リスクの症例を除いた症例に対しては,放射線によりその後のPSA制御が比較的良好で治療の選択肢の一つとなりうると報告されている。
局所進行前立腺癌においては内分泌療法も標準治療の選択肢に数えられているものの,放射線治療+アジュバント内分泌療法もしくは,ネオアジュバント内分泌療法+放射線治療という組み合わせが,標準治療としてすでに定着しているため,前向き試験は現在まで行われておらず,またこれからも行われる可能性は低い。このCQに対する回答を得るためには,例えば内分泌療法単独治療が許容される対象(後期高齢者等)において前向き試験を行うことが必要である。


 参考文献
1) Akimoto T, Kitamoto Y, Saito J, et al. External beam radiotherapy for clinically node-negative, localized hormone-refractory prostate cancer:impact of pretreatment PSA value on radiotherapeutic outcomes. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2004;59(2):372-9.
2) Sanguineti G, Marcenaro M, Franzone P, et al. Is there a “curative”role of radiotherapy for clinically localized hormone refractory prostate cancer? Am J Clin Oncol. 2004;27(3):264-8.
3) Nakamura K, Teshima T, Takahashi Y, et al. Radiotherapy for localized hormone-refractory prostate cancer in Japan. Anticancer Res. 2004;24(5B):3141-5.

 

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