ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

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第5章 放射線療法

 
C.密封小線源永久挿入治療,外照射併用療法
CQ4  〔内分泌療法の併用〕密封小線源永久挿入治療,外照射併用療法において内分泌療法の併用は有用か?

推奨グレード C
密封小線源永久挿入治療と外照射併用療法において内分泌療法を加える方法について行うよう勧められるだけの根拠が明確でない。

 解 説
密封小線源永久挿入治療と外照射併用療法において内分泌療法を加える方法についてのエビデンスは現時点では存在しない。
後ろ向きの検討はSylvester1)(III),Grado2)(III)らが行っている。Sylvesterらは98人の中間からハイリスク症例のうち21人に密封小線源永久挿入治療,外照射,内分泌併用療法を行い,内分泌療法併用群と内分泌療法非併用群の5年生化学的非再発率は77%対58%で,内分泌療法併用群が有意に優れていたとしている1)(III)。Gradoらは被膜外浸潤の可能性が高く,密封小線源永久挿入治療と外照射併用療法を行った70例のうち10人に内分泌療法を加え,5年生化学的非再発率(2回連続のPSA上昇を再発と定義)は88%(内分泌療法非併用群は72%)と報告している2)(III)
Merrickらは45Gyの外照射(小骨盤領域,4門照射,1.8Gy/回)後に110Gyの小線源療法を施行した高リスク群の患者176人に対して,内分泌療法併用療法の有用性について解析を行った3)(III)。これによると,内分泌療法併用群(中央値4カ月)では非併用群に対して8年の生化学的非再発生存率において有意に良好な結果が得られた(93.5%vs.84.1%,p=0.048)と報告している。しかし,低・中リスクでは内分泌療法の併用によって有意な改善は認められなかった。
Stockらはネオアジュバント(3カ月)&同時内分泌療法(6カ月),密封小線源永久挿入治療(103Pd:127人,125I:5人),3D-CRTの併用療法を施行し,その有効性を検討した(観察期間の中央値は50カ月)4)(III)。5年の時点での生化学的非再発率はGleasonスコア≦6で97%,Gleasonスコア7で85%,8-10では75%であった。術後の生検が47人に施行され,最終的にすべての症例で陰性となった。
これまでの臨床データの結果から125Iと103Pdによる単独治療の成績は同等と考えられているが,中・高リスク群に対して8〜9カ月のネオアジュバント内分泌療法,密封小線源永久挿入治療(103Pd),外照射のすべてを併用した93人について解析(観察期間の中央値45カ月)したCoppらの結果によると,4年における生化学的非再発生存率(≦0.2ng/ml)は79%であった5)(III)
今後の検討が待たれる事項である。


 参考文献
1) Sylvester J, Blasko JC, Grimm PD, et al. Short-course androgen ablation combined with external-beam radiation therapy and low-dose-rate permanent brachytherapy in early-stage prostate cancer.:A matched subset analysis. Mol Urol. 2000;4(3):155-9;discussion 161.
2) Grado GL, Larson TR, Balch CS, et al. Actuarial disease-free survival after prostate cancer brachy therapy using interactive techniques with biplane ultrasound and fluoroscopic guidance. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 1998;42:289-98
3) Merrick GS, Butler WM, Wallner KE, et al. Impact of supplemental external beam radiotherapy and/or androgen deprivation therapy on biochemical outcome after permanent prostate brachytherapy. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2005;61(1):32-43.
4) Stock RG, Cahlon O, Cesaretti JA. Combined modality treatment in the management of high-risk prostate cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2004;59(5):1352-9.
5) Copp H, Bissonette EA, Theodorescu D. Tumor control outcomes of patients treated with trimodality therapy for locally advanced prostate cancer. Urology. 2005;65(6), 1146-51.

 

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