ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

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第5章 放射線療法

 
B.密封小線源永久挿入治療(単独)
CQ4  〔内分泌療法の併用〕密封小線源永久挿入治療(単独)において内分泌療法の併用は有用か?

推奨グレード B
前立腺体積の縮小を目的とした内分泌療法(LH-RHアゴニスト±抗アンドロゲン剤)は前立腺の体積を33%程度縮小することが可能である。しかし,その治療効果に与える影響に関しては明確ではない。

 背 景
体積の大きな前立腺に対して密封小線源永久挿入治療を行う場合,恥骨弓により穿刺針の刺入が阻まれることがあり,その場合には治療が有効に行われない。また,日本においては退出基準があり,密封小線源永久挿入治療後における体内残存放射能が1300Mbqを下回っていなければならない。そのため体積の大きな前立腺においては治療が行えない場合がある。

 解 説
密封小線源永久挿入治療と内分泌療法の併用が治療効果に与える影響に関しては,しっかりとした無作為化比較試験がない。Leeらの報告では,中間リスク群および高リスク群で密封小線源永久挿入治療(単独)を行った場合,内分泌療法の有無が最も治療効果を左右する要因であったとしている1)(III)。また治療効果に影響を与える因子のうちにネオアジュバントの内分泌療法が含まれるとする報告もみられる2)(III)。しかし内分泌療法がすべてのリスク群において治療結果を改善しなかったという報告もあり3),4)(III)内分泌療法が密封小線源永久挿入治療に与える効果に関しては不明である。
日本における退出基準の問題および恥骨弓により穿刺が阻まれる問題から,前立腺の体積の縮小を余儀なくされる場合がある。そのような症例に対して,3カ月間程度のLH-RHアゴニスト単独もしくはLH-RHアゴニストと抗アンドロゲン剤を併用した内分泌療法が行われているが,平均して33%程度の縮小率が得られている5)(III)


 参考文献
1) Lee LN, Stock RG, Stone NN. Role of hormonal therapy in the management of intermediate to high risk prostate cancer treated with permanent radioactive seed implantation. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2002;52:444-52.
2) Merrick GS, Butler WM, Galbreath RW, et al. Five-year biochemical outcome following permanent interstitial brachytherapy for clinical T1-T3 prostate cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2001;51(1):41-8.
3) Potters L, Torre T, Ashley R, et al. Examining the role of neoadjuvant androgen deprivation in patient undergoing prostate brachytherapy. J Clin Oncol. 2000;18:1187-92
4) Joseph J, Al-Qausieh B, Ash D, et al. Prostate-specific antigen relapse-free survival in patients with localized prostate cancer treated by brachytherapy. BJU Int. 2004;94:1235-8.
5) Kucway R, Vicini F, Huang R, et al. Prostate volume reduction with androgen deprivation therapy before interstitial brachytherapy. J Urol. 2002;167:2443-7.

 

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