ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

書誌情報
第5章 放射線療法

 
B.密封小線源永久挿入治療(単独)
CQ3  〔照射の種類と方法〕密封小線源永久挿入治療(単独)での線源の種類と適切な治療技術はどのようなものか?

推奨グレード B
日本ではシードの核種としては125Iのみが使用可能である。治療技術としては術前計画法,術中計画法がある。わが国では小線源治療が始まって間もないために,安全性確保のために治療技術は先行するABS(American Brachytherapy Society)のガイドラインを参照することを推奨する1)(II)2)(IV)

 背 景
米国ではシードとして125Iのほかに103Pdが使用されている。物理的には103Pdはエネルギーが125Iより低いが,それぞれの推奨されている処方線量の照射が行われれば治療効果に明らかな差はないとされている。米国では125I線源についてもいくつかの製造元があり,様々な形態がある(連結型や分離型など)。日本では現在,分離型のシードしか許可されておらず,挿入するアプリケータも1種類しかない。

 解 説
ABSはシード挿入術前に線量計画を行う術前計画法を推奨している1)術前計画は挿入術の数週間前に行うが,挿入術直前に行う方法もある。前立腺体積測定は通常,経直腸超音波装置を用いて行われる。術前治療計画は適切な挿入外套針数やシード数,シードの放射線強度を決める準備となる。専用の線量計算コンピュータを用いれば,線量分布を瞬時に得ることが可能である。線源配置は均一な配置よりも辺縁に加重を置くことにより,中心部の線量が高くなりすぎないようにする線源配置(modified peripheral loading)が推奨されている。これは尿道の重症な合併症を避けるためである。
術前計画と挿入術中では必ずしも前立腺体積や形態が完全に一致するとは限らず,その欠点を克服するために術中計画法が考案された2)。最近の技術の発達により理想的な術中計画が可能となりつつある。術中に外套針の挿入された位置を正確に画像に反映させて計画を作成するinteractive plan,挿入されたシードの位置を正確に画像に入力して線量計算を行うdynamic dose calculationがあり,リアルタイムな計画法となりつつある。術直前に手術室で術前計画を行う方法もあり,これらの併用も可能である。


 参考文献
1) Wallner K, Merrick G, True L, et al. 125I versus 103Pd for low-risk prostate cancer:Preliminary PSA outcomes from a prospective randomized multicenter trial. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2003;57(5):1297-303.
2) Nag S, Ciezki JP, Cormack R, et al. Intraoperative planning and evaluation of permanent prostate brachythrapy:Report of the American Brachytherapy Society. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2001;51(5):1422-30

 

書誌情報