ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

書誌情報
第4章 外科治療

 
CQ6  高齢者の前立腺癌に対して前立腺全摘除術の適応がある。

推奨グレード C
高齢者でも期待余命,病態により考慮すべきであり,年齢のみから適応を考慮すべきではない。

 背景・目的
現在,多くの泌尿器科医は手術療法を適応する際に生存率,期待余命との関係から年齢も考慮に入れて選択している。これは正しい選択であるかを検討した。

 解 説
生存率,期待余命との関係から,前立腺全摘除術は治癒の確率が高く,この治療から利益を受けると想定される期待生存期間が長い症例に対して行われるべきであるとされている。一般的には期待余命10年以上の,健康状態の良い患者が適応とされる1),2),3)(III)。だが実際の手術適応に当たっては,前立腺全摘除術に年齢の制限はなく,年齢のみをもとに手術適応の可能性を否定すべきではない2)(III)。65歳以上の限局性前立腺癌の成績を有する論文を対象とした系統的な文献のレビュー4)(III)では,High grade cancerの場合,年齢は考慮せず何らかの積極的な治療がなされるべきであるとの意見もあり,年齢のみにとどまらず,健康状態,期待余命,腫瘍の悪性度なども考慮して対応すればよいと思われる。


 参考文献
1) Catalona WJ, Bigg SW. Nerve-sparing radical prostatectomy:evaluation of results after 250 patients. J Urol. 1990;143(3):538-43;discussion 544.
2) Corral DA, Bahnson RR. Survival of men with clinically localized prostate cancer detected in the eighth decade of life. J Urol. 1994;151(5):1326-9.
3) Zincke H, Bergstralh EJ, Blute ML, et al.:Radical prostatectomy for clinically localized prostate cancer:long-term results of 1,143 patients from a single institution. J Clin Oncol. 1994;12(11):2254-63.
4) Alibhai SM, Naglie G, Nam R, et al. Do older men benefit from curative therapy of localized prostate cancer? J Clin Oncol. 2003;21(17):3318-27.

 

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