ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

書誌情報
第4章 外科治療

 
4 外科治療のエンドポイントとPSA再発

外科治療のデータを評価する上で,どうしても明らかにすべき点はPSA再発は癌治療アウトカムのエンドポイントとして適切かという問題である。NCIのPhysicians Data Query(PDQ)によると癌治療のStrength of Endpointとして
  1)Total mortality(or overall survival from a defined time).
  2)Cause-specific mortality(or cause-specific mortality from a defined time).
  3)Carefully assessed quality of life.
  4)Indirect surrogates.
    (1)Disease-free survival.
    (2)Progression-free survival.
    (3)Tumor response rate.
の順に強さがあるとされている(http://www.nci.nih.gov/cancertopics/pdq/levels-evidence-adult-treatment/HealthProfessional/page3)。外科治療の対象となる前立腺癌の予後は良好であり,癌治療の一般的なエンドポイントである生命予後(上記1,2)がイベントになりにくい。このため前立腺癌に対する外科治療のアウトカム評価として,その多くがPSA再発を代替のエンドポイント(surrogate endpoint)として使用されることは理解できる。しかしPSA再発が本当にsurrogate endpointとして適切かという点についてはhigh riskでは妥当4)(IV)5)(III)6)(IV)と考えられるが,low-intermediate riskではPSA再発をエンドポイントとして解析しても,生命予後に関係しないとの主張もある7),8),9)(III)10)(IV)。また論文によりPSA再発の定義もまちまちである。つまり癌治療のsurrogate endpointとしてのPSA再発の妥当性に関して,エビデンスが曖昧であると言わざる得ない。この点では摘除後に残存腫瘍の増殖スピードを表しているとされるPSA doubling time(PSADT)の方がより妥当なエンドポイントかもしれない6)(IV)7)(III)

 

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