ガイドライン

(旧版)有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン

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IV.結果

 
3. 検診方法の不利益

検診方法別の不利益を検討するため、偽陰性率、偽陽性率及び受診者の負担も加え、各検査方法の対比表を作成した(表12)。胃がん検診の不利益には、偽陰性率、偽陽性率、偶発症、放射線被曝、感染、受診者の心理的・身体的負担などが該当する。不利益の評価は、比較表に基づき、委員会内で検討した。

表12 胃がん検診における受診者の負担と不利益
偶発症・受診者の負担 胃X線検査 胃内視鏡検査 ペプシノゲン法 ヘリコバクターピロリ抗体
偽陰性率 20-30% 16% 16-50% 17.9%
偽陽性率 10%未満 報告なし 20-30% 59.2%
事前の食事制限 検査前の食事なし 検査日の朝食なし なし(ただし、食事が影響する可能性あり) なし
事前の薬剤制限 なし 抗凝固剤 プロトロンポンプ阻害剤 服用による影響あり なし
前投薬 間接撮影:なし
直接撮影:〜あり(鎮痙剤)
咽頭麻酔剤・鎮静剤・鎮痙剤 なし なし
前投薬による偶発症 ショック・血圧低下・呼吸抑制など ショック・血圧低下・呼吸抑制など - -
前投薬による偶発症(死亡) 可能性あり 0.0001%(14/12,844,551)* - -
スクリーニング検査偶発症頻度 バリウム誤嚥0.08〜0.17%
排便遅延4〜11%
0.12%(997/826,313) なし なし
スクリーニング検査偶発症 バリウム誤嚥・便秘・イレウス 出血・穿孔など - -
スクリーニング検査偶発症(死亡) 報告例あり 0.0076%(63/826,313) - -
感染 なし あり なし なし
放射線被曝(実効線量) 直接撮影:男4.6mSv 女3.7mSv
間接撮影:男0.6mSv 女0.6mSv
なし なし なし
その他 - - 胃切除・腎不全・HP除菌による影響あり 除菌による耐性菌・下痢・軟便など
* 下部内視鏡検査・腹腔鏡も含む
注1)  偽陰性率・偽陽性率の算出方法は、同時法・追跡法などがあるが、その算出条件は研究間で異なる。このため、単純な比較は困難であるが、参考値として、上記表に示している。
(詳細は個別の検査方法の証拠のまとめ参照)
注2)  偶発症の頻度はわが国における報告に基づく
(詳細は個別の検査方法の不利益参照)


 

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