ガイドライン

(旧版)有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン

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IV.結果

 
2. 検診方法の証拠

1)胃X線検査
間接的証拠

間接撮影の感度・特異度に関しては追跡法によるものがほとんどである(表8)。偽陰性例の定義や把握方法に統一した基準がなく、その意味するものはそれぞれ異なるが、感度は57-91%、特異度は81-91%に分布しており24) 25) 26) 27) 28) 29) 30)、感度は概ね70-80%、特異度は90%、陽性反応適中度0.7-2.0%である。撮影方式の違いによる比較ではMurakami らの報告があるが、間接撮影法では旧式のミラーカメラ方式は現在のI.I.方式や直接撮影法に比較して精度は落ちるが、間接でもI.I.方式では直接と遜色はないとしている31)
治療後の予後を見ると、検診発見がんは外来発見がんに比して早期がんの割合が多く、5年生存率・10年生存率とも有意に高い(表9)。5年生存率は、検診群74-80%、外来群46-62%であり、両群に有意な差を認めており(P<0.05)、10年生存率でも同様の結果を得ている32) 33) 34) 35)



表8 胃X線検査(間接撮影)の感度・特異度
報告者 報告年 文献No 偽陰性例の
把握方法
偽陰性例
の定義
追跡
期間
撮影法
(機器)
感度 特異度 陽性反応
適中度
吉田裕司,他  1985年  24 偶然精検による
発見がん
1) - 間接 70.3% 87.5% ?
吉田裕司,他 1986年 25 偶然精検による
発見がん
1) - 間接   ? ?
菅原伸之,他 1991年 26 がん登録+他の情報源 3) 1年 間接 70.4% 90.1% 1.60%
深尾 彰,他 1992年 27 がん登録 3) 1年 間接 69.3% 88.8% 2.00%
石田輝子,他 1994年 28 がん登録 2) 1年 間接 84.1% 81.3% 0.78%
石田輝子,他 1994年 28 がん登録 4) 1年 間接 90.6% 81.2% 0.71%
石田輝子,他 1994年 28 がん登録 2) 2年 間接 70.1% 81.3% 0.90%
石田輝子,他 1994年 28 がん登録 4) 2年 間接 79.4% 81.2% 0.74%
服部昌和,他 1998年 29 がん登録 3) 1年 間接 68.6 〜72.5% ? ?
阿部慎哉,他 2000年 30 がん登録+他の情報源 3) 1年 間接 56.8% 90.7% 2.00%
阿部慎哉,他 2000年 30 がん登録+他の情報源 5) 1年 間接 78.8% 90.7% 1.90%
Murakami,他 1990年 31 がん登録 2) 1年 間接(ミラーカメラ) 89.6% 85.8% 1.30%
Murakami,他 1990年 31 がん登録 2) 1年 間接(I.I.) 88.5% 92.0% 1.40%
Murakami,他 1990年 31 がん登録 2) 1年 直接 90.8% 91.4% 2.30%
偽陰性例の定義
1)  偶然精検がんよりの推定
2)  追跡期間内に診断された症例の全例
3)  追跡期間内に診断された症例の全例+次年度の検診発見がんの全例
4)  追跡期間内に診断された症例のうちの進行がん
5)  追跡期間内に診断された症例中の進行がん+次年度の検診発見がんのうちの進行がん


表9 発見契機別の予後
報告者 報告年 研究地域 文献No 5年生存率 対象年齢
検診群 外来群 検診群 外来群
Kampschöer, et al 1989年 Tokyo 32 80.0% 56.2% * 78.5% 55.1% *
上田 博,他 1986年 石川県 33 74.0% 61.0% ** - -
藤谷恒明,他 1998年 宮城県 34 79.1% 62.4% *** - -
茂木文孝,他 2003年 群馬県 35 79.9% 45.5% * - -
*P<0.01 **P<0.05 ***P<0.0001

 

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