ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

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推奨ステートメントと解説


8.潰瘍性大腸炎の経過と大腸がんサーベイランス

8.5 大腸がんサーベイランスの具体的方法10,11,12)

サーベイランスの方法に関するよくデザインされた臨床研究はない:推奨グレードI(V・7)

広汎な大腸炎を有する患者に対して、発症から8〜10年経過後に、1年または2年に1度大腸内視鏡と生検を行う:推奨グレードA(IIIb・8)

生検組織でdysplasiaを認め、さらに他の消化管病理医により確認された場合には、通常大腸摘除術の適応となる:推奨グレードI(V・7)

UCにおけるdysplasiaに関する組織学的評価は、観察者間で異なることが少なくない:推奨グレードA(IIIb・8)

解説: 大腸がんサーベイランス・プログラムの有効性を比較検討した研究がないため、具体的な方法に関しては異論が多い。主として全大腸炎型の症例で、発症リスクが高まる8〜10年後から大腸内視鏡および生検を行うことが有効であるとの臨床研究結果に対し専門家のコンセンサスが得られた。ただし海外で行われることの多い10cm間隔で行うランダム生検の有効性については専門家の評価が不十分であり推奨基準に達しなかった。また組織学的診断のばらつきも認識され、dysplasiaの診断の取り扱いにも慎重さが要求されるような推奨指標が採択されている。現在わが国では詳細な観察と狙撃生検によるサーベイランスの有効性を評価する研究が進行中である。

 

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