ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

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推奨ステートメントと解説


5.重症の潰瘍性大腸炎に対する治療

5.4 重症潰瘍性大腸炎における抗菌薬治療3,10,11,12)

重症UCにおけるステロイド治療中に、シプロフロキサシンなどの抗菌薬を併用しても改善効果がない:推奨グレードI(Ib・6)

抗菌薬は感染合併が考えられる場合と手術直前にのみ用いる:推奨グレードI(V・7)

解説: UCの治療における抗菌薬併用の有用性について明確なエビデンスは認められない。軽症〜中等症のUCではシプロキサシン併用の効果を示す報告があるが、重症例では有効性を認めなかった。他にアミノ配糖体、メトロニダゾールの検討でも併用効果は認められなかった。文献エビデンスに基づくならば重症例であってもむやみに抗菌薬を使用すべきではなく、感染合併が疑われる例や手術例に思慮深く用いるべきと考えられる。一方強力ステロイド静注療法を必要とする重症例では、感染合併を想定して短期間の予防的抗菌薬投与を是認すべきとの意見もある。わが国ではフソバクテリウムに対する抗菌剤の多剤併用療法(ATM療法)の有効性が報告されているが(エビデンス・レベルIV)、標準的な治療として考慮するためにはより質の高いエビデンスが必要である。

 

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