ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

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推奨ステートメントと解説


5.重症の潰瘍性大腸炎に対する治療

5.2 重症潰瘍性大腸炎に対するステロイドの有効性と至適用量1,3,4,5,6)

積極的なステロイド治療により約半数で緩解導入が可能である:推奨グレードA(Ia・8)

積極的なステロイド治療により3分の2弱の症例で早期結腸切除術を回避できる:推奨グレードA(Ia・8)

症状持続例や内視鏡的に重症な例では、強力静注療法が奏効しないことも少なくないため、他の治療法も検討する必要がある:推奨グレードI(IIIb・7)

経静脈的ステロイドの適量はPSL換算1〜1.5mg/kg/日程度である:推奨グレードB(V・8)

より大量のステロイド投与は副作用の増加の危険がある一方、効果の増強は認められない:推奨グレードB(IIa・8)

解説: 重症UCに対する経静脈的ステロイドの有効性は十分に確認されている。しかし大量のステロイドによる副作用も多く、かえって予後不良を招くことがある。したがって疾患の病態のみならず全身状態を十分に把握した上で的確な効果判定を行い、投与量や投与期間を決定することが重要である。また、ステロイドに対する反応が思わしくない場合は、他の治療法への変更を速やかに考慮する必要がある。ステロイド静注量は一般的にPSL換算1〜1.5mg/kg/日で十分とされている。これを大きく越える用量との比較では、効果の増強は認められず副作用の危険が増すことが報告されている。わが国で行われることのあるステロイド動注治療に関するエビデンスはなく、ここでは考慮されなかった。

 

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