ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

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推奨ステートメントと解説


5.重症の潰瘍性大腸炎に対する治療

5.1 重症潰瘍性大腸炎に対する基本的な治療方針1,2,3)

最大限の経口・局所治療に反応しない例や重症度基準を満たす例は、原則として入院のうえ経静脈的ステロイドと経静脈的栄養を必要とする:推奨グレードI(V・8)

当初から消化器内科医と外科医の協力体制が必要である:推奨グレードI(V・9)

解説: 重症例では原則として入院治療を考慮する。特に経口PSL40〜60mg/日、経口5-ASA4gおよび併用局所療法など、十分な用量の治療に反応せず症状が持続する例では、経静脈的ステロイド投与の適応となる。積極的な経静脈的ステロイド治療時に、経口ASA製剤や局所療法を併用することの有益性を検討した報告はないため、経口的または局所的薬物投与の可否を考慮した上で、可能であれば併用を考慮する。同時に脱水、電解質異常、貧血、低蛋白血症、栄養障害などの全身状態の管理が基本となる。完全静脈栄養の一次的な治療効果を示すエビデンスはないが、特に栄養不良例では一般的に選択される。重症例の管理はUCの診療に経験の深い専門医に委ねられるべきであり、また外科的治療の可能性も念頭におきながら、入院当初から外科医との協力体制を構築しておくのが万全といえる。

 

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