ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

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推奨ステートメントと解説


4.軽症〜中等症の活動期の全大腸炎・左側大腸炎における緩解導入治療

4.4 活動期の潰瘍性大腸炎に対する経口5-ASAの効果と安全性5,6,7,8,9,10,11)

活動期UCに対する5-ASAの緩解導入効果はプラセボより明らかに優れる:推奨グレードA(Ia・9)

軽症〜中等症の活動期UCにおいて、2g/日以上の経口5-ASAは前治療や病変範囲にかかわらず緩解導入に効果がある:推奨グレードA(Ib・8)

軽症〜中等症の活動期UCにおいて5-ASAはSASPと同等に効果があり安全性では優る:推奨グレードA(Ib・9)

一方、経済性ではSASPが有利である:推奨グレードI(V・8)

5-ASAはSASP不耐例や授精希望の男性患者で有用である:推奨グレードI(V・9)

5-ASA治療はUC患者のQOLを向上させる:推奨グレードA(Ib・8)

解説: 5-ASAの活動期UCに対する有効性は、数多くの臨床試験で示されている。有効性は用量依存性に認められ、緩解導入のためには2g/日以上の投与が必要である。5-ASAとSASPの有効性の比較に関する複数の無作為比較試験が行われており、両者の間に明確な差はないようである。SASPによる副作用の主体は5-ASAと結合したスルファピリジンに由来すると考えられ、実際に副作用発現率に関してはこれを含まない5-ASAのほうが少ない。特に高用量のSASPでは頭痛や胃部不快感などの症状による不耐例が少なくないことが知られているが、日本人では代謝の人種的相違から不耐症が出現しにくいという指摘もある。

 

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