ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

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推奨ステートメントと解説


2.診断と検査法

2.4 鑑別診断1,2)

感染性腸炎の臨床所見は潰瘍性大腸炎と区別できないことがあり、初発や再燃に際して便の細菌学的検査(病原性大腸菌を含む)や寄生虫学的検査を行い、疑わしければ赤痢アメーバ抗体検査やC. difficile の検索も行う:推奨グレードI(V・9)

除外すべき疾患は感染性腸炎が主体で、その他にクローン病、放射線照射性大腸炎、薬剤性大腸炎、リンパ濾胞増殖症、虚血性大腸炎、腸管ベーチェット病などがある:推奨グレードI(V・9)

pANCAとASCAの測定はクローン病との鑑別が困難な場合に有用である:推奨グレードI(IIIa・6)

解説: 潰瘍性大腸炎と感染性腸炎の鑑別は、臨床所見のみならず内視鏡でも困難なこともある。まれに潰瘍性大腸炎の経過中の症状再燃が感染性腸炎によることもあるのに注意したい。特にステロイド治療を導入する際には、感染を否定しておくことが必須である。その他の疾患に関しては、病歴、随伴症状、内視鏡所見、経過などから鑑別が比較的容易である。pANCA(primary antineutrophile cytoplasmic antibody)とASCA(anti-Saccharomyces cereviciae antibody)の測定によるクローン病との鑑別は臨床的に広く用いられているわけではなく、標準的な診療行為としての専門家の評価は高くなかった。

 

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