ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

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推奨ステートメントと解説


1.疾患概念・分類・リスク評価

1.3 病因・発症機序・リスク評価7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17)

潰瘍性大腸炎の発症は環境因子により強い影響を受けることが推測され、この環境因子への暴露は人生の初期の段階で起こるとされる:推奨グレードI(IIIb・6)

喫煙者は非喫煙者に比較して潰瘍性大腸炎の発症頻度が低い:推奨グレードB(IIIb・7)

動物性脂肪の摂取は潰瘍性大腸炎発症を増加させる可能性がある:推奨グレードI(IIIb・6)

虫垂切除術の既往と潰瘍性大腸炎の発症とは負の相関にある:推奨グレードB(IIIa・7)

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服は、潰瘍性大腸炎の発症および再燃に関連する可能性があり、その使用には注意を要する:推奨グレードB(IIIb・7)

解説: 潰瘍性大腸炎はその病因も発症機序も明らかにされていない疾患である。一般的には素因を有する個人に数々の環境因子が作用して発症すると考えられている。発症に影響を及ぼす因子に関する疫学的研究は数多いが決定的なものはない。ここでは引用文献のエビデンス・レベルと専門家のコンセンサスから推奨基準に達したものを掲載した。臨床的には喫煙とNSAIDsについて留意しておきたい。喫煙者のUC発症の危険は非喫煙者の60%であり、禁煙指導の際に注意を要する点といえる。NSAIDsの服用は再燃や緊急入院のリスクと関連することが報告されている。

 

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