ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

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この診療ガイドラインについて


6.推奨グレードの設定基準と解釈

エビデンスとコンセンサスを統合して推奨グレードを決定した。診療ステートメント作成の基となった文献情報のエビデンス・レベルとデルファイ評価の中央値の双方に規定された推奨グレードを設定した(表2、3)。複数の文献情報に基づいて作成されたステートメントでは、より高いレベルのエビデンスを基準とした。エビデンスの質が高くなおかつ専門家の高い評価が得られたステートメントを最も高い推奨グレードAとし、エビデンスの質または専門家の評価がやや低下した場合に推奨グレードを1段階下げBとした。
質の高いエビデンスを欠くが専門家の評価が高い場合、またはエビデンスの質が高くても専門家の評価が不足する場合を推奨グレード I とした。現行のエビデンス・レベルは、治療に関する臨床研究を評価するために開発されたもので、治療に関する指標にはよく適合するが、疾患概念・診断・経過観察などに関する指標に関しては完全に適切ではない、これらに対し質の高いエビデンスというランク付けを得にくいという性質を考慮した上で、専門家の意見をより重視した推奨グレードを別個に設定した(表3)。
各々の推奨グレードの解釈は表4の通りである。本ガイドラインには推奨グレードC、Dの指標は含まれていない。専門家の評価が高くても推奨グレード I となった指標項目は推奨できないということではなく、その基盤となるエビデンスが不足しているという意味である。内容によってはエビデンスを得ることが不可能な項目もあり、臨床現場での適用に際しては、必ずしも推奨グレードA、Bに劣るとは限らないことに注意されたい。


表2 エビデンスとコンセンサスを統合した推奨グレードの設定基準-1
(治療に関するステートメント)
  デルファイ評価中央値
≧8 7 6 5 ≦4
エビデンス・
レベル
I A A I C C
II A B C C C
III B I C C C
IV、V I I C C D


表3 エビデンスとコンセンサスを統合した推奨グレードの設定基準-2
(疾患概念・リスク・診断・経過観察に関するステートメント)
  デルファイ評価中央値
≧8 7 6 5 ≦4
エビデンス・
レベル
I A A I C C
II A B I C C
III A B I C C
IV、V I I C C D


表4 診療ステートメントの推奨グレードとその意味
A 標準的な診療行為として行うことを強く推奨できる
B 標準的な診療行為として行うことを推奨できる
C 標準的な診療行為として行うことを推奨できない
D 標準的な診療行為として行うべきでない
I エビデンスと専門家の意見が乖離し、標準的な診療行為として明確に推奨しにくい
    1. 専門家のコンセンサスは得られているが、エビデンスが不足する
    2. エビデンスはあるが、専門家の評価は高くない

 

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