ガイドライン

有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
平成16年度 厚生労働省がん研究助成金
「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班

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IV.結果


2.検診方法の証拠

6)注腸X線検査

間接的証拠

注腸X線検査の感度、特異度等を評価した9文献の論文のうち、4文献が病院ベースのデータを用いた解析78,79,85,86)、3文献が集検後精検として注腸X線検査をおこなった場合の精度64,87,88)、1文献がポリペクトミー後の経過観察での評価89)、1文献が見逃し要因の解析90)であり、がん検診として本検査法を用いた場合の精度評価論文はなかった。病院ベースあるいは集検後精検として本検査法を用いた場合、検査を担当する医師に多少とも病変の存在を意識して検査を行うことを求めるため、精度が高めに評価される可能性があることを考慮しなければならない。また、ポリペクトミー後の経過観察では既に病変が概ね切除されており、がん検診の対象集団とは病変の大きさの分布に差異があることに配慮する必要がある。
対象病変を大腸がんに絞った場合の感度は、80〜90%未満が3文献、90〜100%未満が1文献、100%が2文献であった64,78,79,85,86,88)。腺腫を含めた病変の大きさで感度をみると、10mm以上の病変の感度が48%との報告がある89)。他の研究では概ね80〜90%の感度を示しているのに対し、5〜10mm未満では4文献中3文献で50%程度の感度であった85,86,87,89)。さらに、部位による感度の変動も報告されており、盲腸や直腸は他の部位に比して感度が10%程度低く75%程度となっていた79)。これらの報告はいずれも便潜血検査化学法と注腸X線検査の精度を直接比較検討したものではない。また、見逃し病変を描出できない技術的な問題と描出されていても認識できない読影の問題に分けて検討すると、純粋に技術的に描出できない場合は15%程度で、逆に完全に読影の際の見落としやがんとして認識できなかった場合が40%を占めていた90)
直接的な死亡率減少効果をみたものではないが、大腸がん患者と正常者の過去10年間の検査歴を調査した研究では、なんらかの大腸検査を受けた場合には大腸がん罹患は減少したが、注腸X線検査単独では認められなかったとしている77)

 

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