ガイドライン

有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
平成16年度 厚生労働省がん研究助成金
「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班

書誌情報
IV.結果


2.検診方法の証拠

3)S状結腸鏡検査

直接的証拠

死亡率減少効果について、3件の症例対照研究と1件のコホート研究が報告されている。
Selbyらの症例対照研究では、肛門縁から20cm以内の大腸がんに対する硬性S状結腸内視鏡(Rigid sigmoidoscopy、以下RS)による検診の死亡率減少効果が検討された58)。10年間のRS受診により、大腸がん死亡は59%減少した(OR=0.41; 95%CI, 0.25-0.69)。更に受診間隔別に検討すると、直近の検査が9〜10年前の場合、88%の死亡率減少効果を認めた(OR=0.12; 95%CI, 0.02-0.93)。しかし、RS到達範囲外では、死亡率減少効果を認めなかった(OR=0.96; 95%CI, 0.61-1.50)。
Newcombらの症例対照研究では、約60%(症例群66%、対照群59%)がFSで、残りがRSを用いていた21)。SS受診により、直腸及び遠位結腸に95%の死亡率減少効果を認めた(OR=0.05; 95%CI, 0.01-0.43)。近位結腸においても64%の死亡率減少効果を認めたが、有意ではなかった(OR=0.36; 95%CI, 0.11-1.20)。
Mullerらの症例対照研究では、直腸がんに65%の死亡率減少効果を認めた(OR=0.35; 95%CI, 0.25-0.49)59)。Kavanaghらは8年間のコホート研究により、直腸と遠位結腸(S状結腸と下行結腸)における大腸がん罹患が56%と有意に低下していた(RR=0.44; 95%CI, 0.21-0.90)が、近位結腸では有意差はなかった(RR=0.92; 95%CI, 0.43-1.96)60)。進行度別でも同様の結果であった。大腸がんによる死亡率減少の可能性を示唆した(RR=0.56; 95%CI, 0.20-1.60)が、部位別の結果は示されていない。

 

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