ガイドライン

有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
平成16年度 厚生労働省がん研究助成金
「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班

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IV.結果


2.検診方法の証拠

2)便潜血検査免疫法

直接的証拠

免疫法は4件の症例対照研究により死亡率減少効果が証明されている25,47,48,49)(表8)。ただし、このうち3件は検査方法に化学法との混在があり、免疫法のみを対象とした研究はSaitoらの1研究である。
Hiwatashiらは、宮城県における45-69歳の大腸がん死亡者を症例群とした28人と性と年齢をマッチした対照群84人に関する症例対照研究を行い、3年以内の大腸がん検診受診による死亡率減少効果は76%(OR=0.24; 95%CI, 0.08-0.76)と報告した47)
Saitoらの免疫法のみの症例対照研究(40〜79歳、症例群193人、対照群577人)では、大腸がん検診受診過去1年以内60%(OR=0.40; 95%CI, 0.17-0.92)、2年以内59%(OR=0.41; 95%CI, 0.20-0.82)、3年以内52%(OR=0.48; 95%CI, 0.25-0.92)の死亡率減少効果を認めた48)。Saitoらの症例対照研究(40歳以上、症例群28人、対照群83人)では化学法と免疫法が混在しているが、免疫法に限定した場合、1年前に大腸がん検診受診した場合81%の死亡率減少効果を認めた(OR=0.19; 95%CI, 0.05-0.70)49)
一方、イタリアにおけるZappaらの症例対照研究(平均年齢62.6歳、症例群206人、対照群1,030人)でも3年以内の大腸がん検診に46%の死亡率減少効果を認めている(OR=0.54; 95%CI, 0.3-0.9)25)
全国レベルで大腸がん検診の高実施地域と対照地域を比較した黒石の研究があるが、検査方法は化学法と免疫法が混在している。40〜69歳の大腸がん調整死亡率は、高率実施地域で2.7%低下し、対照地域では6.3%増加していた50)


表8 便潜血検査免疫法の症例対照研究
報告者 報告年 文献
NO
方法 検討症例数 対象年齢 大腸がん死亡率減少効果
症例 対照 検診からの期間 オッズ比 (95%CI)
Hiwatashi 1993 47 化学法+免疫法 28 84 45-69歳 36ヶ月以内 0.24 (0.08-0.76)
Saito 1995 48 免疫法 193 577 40-79歳 12ヶ月以内 0.40 (0.17-0.92)
免疫法 164 467 40-79歳 24ヶ月以内 0.39 (0.12-1.33)
Zappa 1997 25 化学法+免疫法 206 1030 41-75歳 36ヶ月以内 0.54 (0.3-0.9)
Saito 2000 49 化学法+免疫法 51 152 40歳以上 12ヶ月以内 0.20 (0.08-0.49)
化学法+免疫法 42 86 40歳以上 24ヶ月以内 0.17 (0.04-0.75)
免疫法 28 83 40歳以上 12ヶ月以内 0.19 (0.05-0.70)

 

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