ガイドライン

EBMの手法による
周産期ドメスティック・バイオレンスの支援ガイドライン

書誌情報
 
第4章 ドメスティック・バイオレンスの実態


II 一般女性の被害実態

一般女性の被害実態 エビデンス・テーブル

 
著者・年・国 セッティング  対象  DV
判定方法
データ
収集方法
主要結果・コメント 研究
デザイン
エビデンス・
レベル
 前向きコホート
Rumn et al.
2000
USA
軍関係者 21,643の軍関係家族   診療記録 配偶者からの虐待ありの家族は,ない家族に比べて,OR 2.0(95%CI:1.9, 2.1)の子どもへの虐待が起こっている。 前向きコホート 2b
 ケース・コントロール
Thompson et al.
2002
USA
公立病院 200人の最近親しい人からの暴力を受けたアフリカンアメリカン ISA 質問紙,面接 自殺企図のリスク・ファクターとしては,うつ症状,失望感,薬物中毒,子どもの頃の虐待や育児放棄の体験 ケース・コントロール 3b
 横断研究
内閣府男女共同参画局
2003
日本
全国 4,500名の男女   無作為抽出調査
質問紙
対象者の女性(1,802名)中,「身体に対する暴行を受けたことがある」15.5%
「恐怖を感じるような脅迫を受けたことがある」5.6%
「いやがっているのに性的な行為を強要された」8.9%
過去12カ月での「身体的暴行」は2.9%,「心理的脅迫」0.9%,「性的強要」1.5%であった
横断研究 2b
Ulrich et al.
2003
USA
  DVに関する過去のRCTの再分析   診療記録 DVの人は,DVでない人に比べて,受診利用が2.3倍(95%CI:1.9, 2.7),であり,医療費は,2.3倍(95%CI:1.8, 3.0)であった。 横断研究 3b
Diaz-Olavar-rieta et al.
2002
Mexico
メキシコ,国立科学栄養研究所の外来 2,475人の女性を対象   質問紙 現在の時点で虐待割合は,9%。現在はないが,過去に虐待の経験のある女性と,現在も虐待がある人では,種々の臨床症状の多寡が違う(現在もある人のほうが多い)。 横断研究 3b
Lemon et al.
2002
USA
都市部 1,643人の女性対象   質問紙・診療記録 過去12カ月の身体的暴力の発生割合は4.5%。被害者の定期的子宮ガン検診の受診率は,2.39(95%CI:1.01, 5.7),飲酒4.85(95%CI:2.02, 11.60),喫煙2.97(95%CI:1.03, 4.18)。 横断研究 3b
Petridou et al.
2002
Greece
ギリシャの救急病院(都市と田舎) 27,319人の女性(1996年から1998年)   観察と質問 親しい人からの虐待は1.1%(312人)に認められた。虐待は都市に比べて田舎のほうがより多く発生していた。被害は,遅い夕方から夜に発生していた。顔に複数の傷跡がある。 横断研究 3b
Romito et al.
2002
Italy
地域福祉センター,救急病院,家族診療所 510人の女性   質問紙と面接 過去1年以内の身体的・性的虐待は,12.2%。DVのスクリーニングに対する反応は,12.8%が何らかの不快を示し,53.1%がどちらでもない,34.1%が話したいという反応。DVの質問に対し,拒否する人はいなかった。 横断研究 3b
Weinbaum et al.
2001
USA
カリフォルニア州の1998年の健康調査 4,006名の女性   電話 12カ月以内の身体的暴力の被害割合は,6.0% 横断研究 3b
Weingourt et al.
2001
Japan
地方都市部 無作為抽出した女性750名   質問紙 DV経験割合は,67%,心理的虐待60%,身体的虐待32%,性的虐待23%。不眠や不安という健康症状とも関係があった。 横断研究 4
Coker et al.
2000
USA
大学病院関連の家族診療クリニック 1,152人のプライマリ・ケア受診女性 ISA,AAS 質問紙と面接 53.6%が親しい人からの虐待の経験を持つ。13.6%に精神的虐待のみあり。この女性たちは身体的状態(RR 1.69),精神的状態(RR 1.74)がよくない。 横断研究 4
Hathaway et al.
2000
USA
地域の家庭医 2,043人の女性     過去1年の親しい人からの虐待割合は6.3%。虐待経験者は,うつ,不安,睡眠障害,自殺企図,障害,喫煙,望まない妊娠,HIV,の割合が高い。医療保険を持っていない割合も高いが,ルチーンのヘルスケア利用は同じように受けている。 横断研究 3b
Tajima.
2000
USA
1985年からの全州対象調査 2,733人の女性   質問紙 子どもへの身体的虐待のリスク・ファクターとしての妻への虐待(RR1.69)妻への虐待の存在は,子どもへの虐待を70%増加させる。 横断研究 4
Jones et al.
1999
USA
大都市部 HMOに加入している女性1,138名(高学歴・経済状態は中から上クラス)   質問紙 過去の人生中での虐待の発生割合は,36.9%,過去1年間においては4%。学歴では,大学卒業以上は,OR 0.54(95%CI:0.39, 0.75),婚姻関係では,離婚・別れている場合は,OR 2.54(95%CI:1.58, 4.13) 横断研究 3b
Wisner et al.
1999
USA
州立保健機関 DV被害者126人と一般女性1,007人   診療録 年齢調整をして医療費を比較したところ,DV被害女性のほうが,救急医療,精神科外来,自費診療の利用費が有意に多かった。
コメント:DV特定方法の信頼性が低い。
横断研究 4
Schafer et al.
1998
USA
都市部および周辺地域 1,635組のカップル(48州からの一般人口) CTS-R 面接 男性からの虐待割合,5.21から13.6% 横断研究 3b
Abbott et al.
1995
USA
都市部の病院救急部 648人の救急外来受診女性   質問紙 パートナーがいる女性の11.7%(95%CI:8.7, 15.2)がDVが理由で救急外来を受診。54.2%が過去に虐待を経験。そのうち31%は加害者と同居。自殺企図のヒストリーがある人のうち81%がDVを経験していた。 横断研究 3b
Yoshihama et al.
1994
Japan
都市部に住む女性 便宜的抽出による796人の女性   郵送による質問紙 身体的虐待467人(58.7%),精神的虐待523人(65.7%),性的虐待473人(59.4%)。タイプの異なる虐待を複数受けていた。 横断研究 3b
Hamberger et al.
1992
USA
地域の家庭医 476人の家庭医への受診女性   質問紙 22.7%は過去1年間に虐待を受けていた。38.8%が過去の人生の中で身体的虐待の経験があった。6人は,医師から虐待を受けていた。 横断研究 3b
Bullock et al.
1989
USA
都市部の家族計画クリニック 793名の患者   自己報告 身体的虐待の報告は,8.2% 横断研究 3b
 記述相関研究
Yoshihama.
2002
USA-Japan
都市部 407家族の日系移民女性   面接 129人(61.1%)の女性がDV被害者。アメリカ生まれの人のほうが積極的な方法をとり,日本生まれの人のほうが消極的な方法を多くとっていた。アメリカ生まれの人は,積極的・消極的な方法どちらでも効果的であるととらえる人ほど,精神障害は低い。一方,日本生まれの人は,消極的方法を効果的であるととらえる人ほど精神障害が低い。DVの対処方法では文化背景を考慮するべき。 記述相関研究 4

 

書誌情報